1013414 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

lovesick

lovesick

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

カレンダー

カテゴリ

フリーページ

コメント新着

windsurf4179@ Re:近況(05/08) お久しぶりです、福岡の加藤です。 何年振…
ぽわぽわ0127@ Re:近況(05/08) ひろさん! よかった♪たまには近況知らせ…
シゲタロス@ Re:近況(05/08) なんだか凄く久しぶり!! 帰ってきてくれて…
t-nik0618@ Re:近況(05/08) 良かった、仕事もできるようになったので…
ひかるですが…何か!?@ Re:近況(05/08) ひろ。さん、はじめまして。 こちらでコ…

お気に入りブログ

空想世界と少しの現実 緋褪色さん
きっくまーくのくだ… きっくまーくさん
無限の扉 yuto.さん
room47 shingo4711さん
ココロのまま るーじゅら。さん
     . ☆Yuri☆さん
不況に負けずに肝っ… かわちゃん4729さん
テレビでお馴染みの… 京師美佳さん
テイ・サックス病の… □■ぱん■□さん
食いしん坊のHappyLi… ぽわぽわ0127さん
2010.10.24
XML
★あんまりなトコで字数制限だったので、続きです。
ゆる日記はまた夜にでも。今日も相変わらずバタバタです。雫


その18の続きです。


絶対絶命の状況を逃れるために、必死で考えて、私がとった行動は、カトウの手が私の服を脱がせようとしたその瞬間に、

ひ:・・私、今、セイリなんです。

って言うことだった。(アホみたいですいません。汗。でも、とっさに思いついた逃れる方法がこれだったんです。)きっと思ってもみなかったことを言われたカトウが、一瞬止まってから、私からそっとカラダを離した。

カ:そうか。・・・言いにくいこと言わせたね。

やけに優しく囁くカトウはキモかったけど、カラダの上から外れた重さに、

・・・助かった。

目を閉じて、安堵の息をついた私だった。だけど。

カ:でも、そんなこと、気にしなくていいんだよ。僕は、血とか見ても気にしないから。

ひ:・・・。

安堵の息をついたばかりの私には、頭も心も戻らないくらいの、ありえない言葉でした。逃れられたと思ったのに、セイリでもしようとしてる。・・・てか、ほんとはセイリじゃないし。もう打つ手なく黙るしかなかった私に、カトウは、

カ:あ~、でも、そうだな。ここじゃ、ムリだな。シートが汚れると困るし。

そこは気にするんだ。じゃあ、助かるのかな。ていうか、なんかもう、頭も心もついていかない。

カ:じゃあ、そうだな、ホテルに行こうか。どうせなら、シホと使ってたところに行きたいよね、サラは?

そんな言葉に正直脱力する。だけど、逆らわないように私はうなずいた。ホテルについたら、フロントにでも逃げ込んでやる。そう思いながら。カトウは、私の心の中になんて気付きもせずに、シートに座りなおして、ベルトをつけた。車を走らせながら、カトウは、私のセイリがどういうものか聞きたがった。キモすぎる。そしてシホのセイリがどんなだったか教えてくれる。カトウしか知らないことかもしれないけど、正直、そんなこと聞かされてもって感じ。吐きそうになるくらい、気分の悪い男。ホテルっていうのがどういうホテルか分からないけど、とにかくホテルについたら、おなかが痛いとかなんとでも言って、部屋に入るまでに、逃げ出そう。そのために、息をととのえて、集中力を高めようとしてたんだけど。その必要がなくなった。カーステからかかってたラジオの正時報を聞いたカトウが、残念そうに、

カ:あ、そうか、もう、こんな時間なのか・・・ごめん、サラ、ホテルに行くの明日でもいいかな?

って聞いたから。大歓迎だよっ。てか、今日ないなら、明日もないっての。カトウが時間を気にする理由、塾の勤務時間か何かなのかなって思ったけど、

カ:サービスタイムがもう随分すぎちゃってるんだ。もったいないから。

って、セコっ!!もう何十回目の脱力。でも、お願い、なんでもいいから、その気が変わらないで欲しいと心から願った私でした。

カ:明日、朝に迎えにくるよ。それでいいだろ?

って、こっちがまるでオネダリしてるみたいに申し訳なさそうに聞くカトウ。しかも朝から?もう、失笑しそうになったんだけど、真顔で、うんうんってうなずいて、

ひ:・・・でも、明日も、、、セイリですけど?

って、聞いてみたら、カトウ、

カ:セイリのほうがいーじゃん。中で出しても妊娠しなくて。

誤った知識。それ以前に、どこまでサイテーなヤツ。耐え切れなく不快感を顔に出してしまったけど、カトウは、

カ:そんな残念な顔するなよ。明日明日、な?

って、頭をポンポンしてくるノンストップ勘違いオトコだった。私を送るために車を走らせながら、カトウはしきりに、シホの死に際のコト探ろうとしてきた。だけど、私は何も話さなかった。オオタクンとの会話を知らせて、シホが想っていたのはオオタクンだと思い知らせてやりたいって思わないわけではなかったけれど、このオトコは、きっと、何も、『思い知る』ことなんてないだろう。人間として大切な回路が壊れてるんだ。だから、私も何も知らないふりをした。オオタクンとシホの最後の大切な時間。秘密のままおいておこうと思った。

駅が近づいて、ホッとしかけたときに、また、カトウが話しかけてくる。

カ:家まで送ろうか?あの住所なら駅から近いよね。
ひ:駅でいいです。・・・でも、どうして私の家知ってるんですか?
カ:手紙見たから。電話番号もね。

手紙。私がシホに書いた手紙。でも、そのことはもう考えずにいようと思った。家を知られていることがキモチワルイなと思った。でも、差出人欄に書いていたのはその当時住んでいた実家の住所で、本当に今住んでいる場所じゃないし。。今はとにかく早く車を降りたかった。駅が見えてくる。ほっとしながら、足元に落ちていたバッグを拾って、手紙の入った封筒を握りなおしたら、

カ:あ、手紙は、明日返すから、置いておいて。

って言われて、封筒ごと奪われた。カトウはそのまま手を後ろに振り上げて、後部座席に放り投げる。・・・・大切な手紙なのに。振り返ってみたけれど、すぐに届くような場所じゃない。

ひ:どうして明日なんですか?

だって、困る。明日なんて、ていうか、もう二度と会うつもりなんてないから。カトウは、

カ:うっかりしてコピーとってなかったから。
ひ:コピー?
カ:ああ、コピー。念のため。

念のため?って何のため?ワケがわからないまま、車は駅のロータリーについた。私を愛おしそうな目でみて、カトウは、

カ:ほんとに、ここでいいの?

まるでもっと私が一緒にいたいんじゃないか?みたいに聞いてくる。

ひ:いいです。
カ:分かった。じゃあ、また、明日ね。時間は、そうだな。また、電話するよ。

にっこり、キモ笑顔で、いうカトウ。後部座席に残される手紙がすごく心残りだったけど、とにかく早く車をおりなくてはと、私は、車を降りた。駅前の雑踏の中に降り立って、もう、絶対に大丈夫になった瞬間に、これまで、いた場所がすごく危険だったことに気づいて、足がガクガクした。カラダがぶるぶる震えだした。カトウが車をいつ出したか知らない。私は、とにかく、足早に車から逃げるように離れた。最初に待ち合わせたスイーツのお店にたどりついてから、振り返ったときには、もう車はなかった。それを確認したら、ビュービュー吹いている風を感じた。カラダにかいていた嫌な汗が冷たく感じる。やけに、寒く感じて、震えがもっととまらなくなる。寒さなのか怖さなのか両方なのか分からない震え。スイーツのお店の壁にもたれた。しばらく目を閉じた。

シホ。今、私が見てきたカトウは、本当に、シホが一度は好きだった人なの?・・・あれは、ヒドスギル。

涙が出そうになって顔がゆがむ。でも、そこが外であることを思い出して、ガマンする。そして、自分が泣ける場所を、考えて、ケースケと、そして、ちーこのことを思い出した。随分遅くなっちゃってお腹すかせてるはずのちーこ。慌てて、震えたまま手でケータイをバッグから取り出したら、ケータイも震えていた。着信。サブディスプレイには、『ケースケ』の文字。一体いつから、鳴っていたんだろう。車でも、バッグを足元に落してしまっていたから、全然きづかなかった。(※後から聞いたら、ケースケは、その1時間まえくらいにオフィスに戻ってきて、おかあさまが義実家の庭でちーこを抱いてるのに気づいて、しかも、私が、ヒトリででかけてることを聞いて、パニックになったそうです。そりゃそうだよね、お葬式の翌日。しかも、ちーこを置いて一人で。ケースケに何も言わずに。ケースケは、すぐに私に何度も電話をかけながら、思い当たる人間みんなに電話かけまくりながら、《おかげでその日の私のケータイの着信履歴はそうそうたるメンバーが並んだ》一人で出かけるのをとめなかったおかあさまに相当ヤツアタリしていたそうです。おかあさまには本当に申し訳なかったと今でも思います。いえ、ケースケにももちろん。)ケースケの名前を見て、慌てて、通話のボタンを押して、耳にあてたら、

ケ:サぁっ!!おまえ、、、どこにいんだよっ。

って、怒り狂ってるケースケの大声。怒り狂ってるケースケの声、だったけど、聴いた瞬間、すごくすごく、ほっとした。腰が抜けたみたいになって、壁伝いにしゃがみこんでしまった。電話の向こうで、ケースケのあまりの剣幕をたしなめるおかあさま(当時はまだちーこを挟んだだけの関係でしたけど)の声が聞こえる。ちーこの泣き声は聞えない。声が出ない、答えられない私に、

ケ:おまっ、聞いてんのか?サぁ。答えろっ。

ってまた、怒鳴ってくるケースケ。震える体で深呼吸して震える息を整えてから、ゆっくりと、

ひ:ケ・・ースケ・・

て声を出してみたんだけど。実際には、かなり途切れて、震えて響いた声。電話の向こうのケースケの怒りが一瞬で止んだことに気づいた。

ケ:サぁ?どした?何してる?何があった?どこにいんだ?なあ。

今度は、びっくりするくらい優しい声。いっぱい心配かけたことが伝わってくる。こうなること分かってたはずなのに、どこまでも自分勝手でワガママな行動をとった私。申し訳なくて、

ひ:ご・・めんね・・

ってだけ。

ケ:サぁ?どこにいんだよ?言え。

命令文だけど、とても優しくたずねてくるケースケの声。もう、涙が流れ出すのを止められなくなる。ケータイを持ってないほうの手を目の前にかざして、ガクガク震えるのを見つめながら、

ひ:ケースケ、迎えに来て・・・?

って言ったら、

ケ:行くよ。どこにでもいってやる。だから、どこにいんだ?なあ?言えって。
ひ:・・・西口の、
ケ:西口?駅にいんだな?すぐ行くから待ってろ。てか、このまま電話つないでろ?いいな。

涙で声がもう出ないから、見えるわけもないのにうなずいた私。ケースケは、

ケ:今、ちーこチャイルドシートに乗っけたから。寝てるから心配すんな。

とか、

ケ:今、あのパン屋の角の信号待ち。

とか、ハンズフリーで運転しながらの実況中継しつつ、来てくれた。段々、ちかづいてくるケースケとちーこ。嫌な汗が体にまとわりついたままだったけど、心だけは、少しずつ、落ち着いていく気がした。しゃがみこんで、頭を抱えてるように見えていたらしい私に、大丈夫ですか?って声をかけてくれる人までいたけれど、もう、迎えが来てくれるんで、って言えた。ケースケもその会話を耳に入れて、おう、迎えに行ってるからな、って会話に入ってきてたし。私は、俯いて、涙目のままちょっと笑った。

今、ロータリーついたから。ちーこ寝てるからチャイルドシートごと持ってくよ。サぁを探し始めたぞ。・・・見っけたぞ。動くなよ。

ケースケが段々すぐそばまで迫ってることを告げても、私は立ち上がれなかった。ていうか、顔すらあげられなかった。どんな顔して、ケースケに会えばいいのか分かんなくて。ぎゅって目をつぶって待ってたら、頭に手をおかれたのと同時に、

ケ:確保

っていう声が、ケータイをくっつけてる左耳と、右耳にも生声で、両耳から聞えた。その声聞いたら、もう、何も考えられなくて、

ひ:ケースケぇっ

って、ナサケナイ声あげて、そこが公衆の場ってことも忘れて、とにかく、ケースケにしがみついていった私でした。ケースケは、公衆の場ってコトも分かった上で、慌てて抱き寄せてくれたけど、抱き寄せてもらっても尚、がくがく震えてる私に、尋常じゃないものを感じたみたい。しばらく抱っこしてくれてから、

ケ:・・立てるか?とにかく、帰ろう。

片手でチャイルドシートを持ちながら、片手で必死で私を抱えあげるみたいにして、車まで連れていってくれた。後部座席に私を座らせると反対側のドアからチャイルドシートをセットして、まだ、ちーこは眠ってたけど、シートから外して抱き上げて、私に差し出しながら、

ケ:おっぱいやってろ

って、言いました。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010.10.24 14:55:13
コメント(19) | コメントを書く
[real stories (非小説です)] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X