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カテゴリ:real stories (非小説です)
スタートは一応、こちらからです。
*夢独特の訳分からなさは排除すべく、読みやすいように補正済みです。w ☆ 今日はサぁの結婚式。・・・残念ながら、オレとの、ではない。 自分が心底愛してる女の、自分以外の誰かとの結婚式、なんて、できればスルーしたい。 だけど、その誰か、が、自分の兄貴だったら、・・・スルーなんてできない、よな。 スルーできない、どころか、 父:ケースケにはまだ難しいだろ?白いドレスはほんとに微妙な撮影なんだ そういって渋るとーさんを、 ヒ:でも、サラを一番キレイに撮れるのはケースケだと思うんだ。 今回の主役ヒロトが根拠のない発言で折れさせて、俺は、めでたく、サぁに密着撮影することになった。サぁの一番幸せな笑顔撮り続けることになった。幸せにしてるのは何度もいうようだが、オレ以外のオトコ。 とにかく、今、オレは、新婦控え室にいる。サぁの友達が、サぁに、声をかけている。ニコニコ幸せそうな笑顔で。 そして、それよりも、もっとニコニコ幸せそうな笑顔で、答えてるサぁ。 オレは、ココロをオフにして、シャッターを切っていた。 しばらくして、気づけば、なぜか、控え室で、サぁと2人。沈黙の中。 ・・・ダレか来ないかなぁ、、と思っちゃうくらい、気まずい。 だって、ずっと、サぁのこと避けてきたから。ぶっきらぼうにしか話してなかったから。優しく接することで、自分の気持ちを見抜かれるのが怖くて。 だけど、今日は、まさか、そんな態度できるはずもない。ちゃんと、おめでとうをいわなければ。笑って。いや、その前に、なんか、話しかけなきゃ。そんなこと思ってたら、サぁの方から話しかけてきた。あいかわらずの、無邪気で憂いのないゆる笑顔。 サ:ケースケ~ ケ:ん? サ:今日は、ありがとーね。 ケ:・・・いや。 サ:ご馳走食べるヒマないんでしょ~??ごめんね。 ケ:いーよ、別に。 ・・・どーせ、喉なんてとーんねー。 そんなこと、思ってから、ヤベ、と思う。相変わらずぶっきらぼうになっちゃってるし。俺は慌てていう。 ケ:写真撮ってる方が好きだから。 サ:・・・そっか。ヒロトがね~。ケースケが私を無茶苦茶キレイに撮ってくれるはずだって言ってたよ? ケ:・・・そんなん、別に、オレじゃなくても。。 ぼそっと呟いたオレの言葉に、 サ:え? 無邪気に問い返すサぁ。オレは思い切って言ってみた。 ケ:オレじゃなくても、キレイに撮れるよ。サぁ、ほんとに、キレイだよ。そのドレスよく似合ってる。 そういうと、一瞬、驚いたような表情を見せた後、 サ:ありがとー。嬉しい。 満面の笑みを浮かべるサぁ。俺は思わずすかさずカメラを持ち直してシャッターを切っていた。 サぁは、少し窓の外に目をやる。今日はガーデン・ウェディング。キレイに手入れされた芝生の上に、着飾った仲間たちが溢れていた。あちこちに見える楽しそうに笑い合っているグループ。窓越しにその様子を眺めていたサぁは、 サ:新婦ってさ~、なんか、退屈だね。 そんなこと言う。少しサミシそうに。オレは慌てていう。 ケ:主役が何言ってんだか。今だけだぞ?出てったら、大忙しだぞ~。一緒に写真撮ろう撮ろうって、座ってる間もないくらい。だから、いまのうちにのんびりしとけ。 サ:そかー。そだね~。 ケ:そーだ、お前、つわりは?もう、平気なのか? 突然、サぁが妊婦なコトを思い出して、オレは聞いた。 サ:うん。今日は、全然しんどくないよー。 ケ:そか、ちーこも今日はおとなしくしてんだな。 *夢の中でまだ生まれていない子のこと、『ちーこ』ってしっかり呼んだそうです。夢だなぁ。。w サ:だね~。親孝行な子だよ。 ケ:でも、無理すんなよ、絶対。しんどくなったら俺にすぐ言えよ? なんだか必死にそういうと、サぁは、くすぐったそうに微笑んで、 サ:うん。わかった~。ありがとー。 そういってから、オレを見る。 ケ:・・・・何? サ:ううん。 笑いに紛らすサぁに、 ケ:なんだよ? 聞きなおすと、また、少し笑って、 サ:今日は随分優しいな~って思って。いつもすっごい怖い顔なのに。 ケ:そんなことないって。 心当たりありまくりだけど、ごまかした俺に、 サ:そんなことあるって。・・・でも、ケースケが優しいと嬉しい。 ニッコリ笑うサぁ。 サ:ねえ、ケースケ、一つ秘密があるんだけど話してもい?ヒロトにもナイショのこと。 ・・・秘密? ケ:ああ、何? サ:怒んないで欲しいんだけど。。 ケ:なんだよ。 焦れて聞くと、サぁは、すごく優しい笑顔になって、 サ:私ね、ずーーーーっとケースケがスキだったんだよ。 って。 ・・・・・!!!!! カメラを落しそうになるくらいの衝撃。これって、、、愛の告白? そんなスゲーこと口にしといて、なんでもなさそうな顔でまた、窓の外を眺めるサぁの横顔。 オレもだよ。オレもなんだよっ。なりふり構わず叫びそうになったとき、 サぁは、またこちらを向いて、イタズラな目で笑って、 サ:中学の時の話だけどね。 っていう。 ・・・あ、そ。 がっかりくる、オレの気持ちなんて気づきもせずに、 サ:ヒロトにはナイショだよ?2人だけの秘密ね。 罪なぐらい惑わされる小悪魔笑顔で微笑んで、また窓の外を羨ましそうに眺めるサぁ。 ・・・・今気持ちを伝えたら、サぁはなんていうだろうか?オレもずっとスキだったんだよって。オレは今もだよって。オレに与えられた文字通り、最後のチャンス。 もしも、受け入れてくれたら、手を引いて逃げ出して、どんな苦難にでも立ち向かっていける勇気が手に入りそうな気がした。 だけど、受け入れられなかったら、俺は、サぁに、サぁのこの大切な日に、いや、これからの人生にも、曇った憂い顔を与えることになってしまう。優しいサぁのことだから、オレの想いをしった上で、ヒロトと曇りなく幸せになることを申し訳なく想うだろうから。 幸せになろうとしているサぁ。満面の笑顔のサぁ。幸せにするのも、笑顔を守るのも、オレじゃないとしても。 ・・・やっぱり、隠し続けよう。そう、一生。サぁが掛け値なしの笑顔でいられるように。 オレは、オレが、そうココロに誓った瞬間の、窓からの外光を顔に受けたサぁのその横顔をファインダーに収めた。 シャッター音にこちらを向いたサぁ。 サ:え~、今、ぼんやり顔してなかった? イタズラをとがめるような顔でそんなこと言う。オレは、笑って、 ケ:してたよ。いつもと同じ顔。 そういうと、口を尖らせて、 サ:もーっ スネ顔するサぁ。俺はまた、シャッターを切る。 サ:変な顔ばっかり撮らないで~。 笑って苦情を言うサぁに、 ケ:変な顔ばっかりしないで~。 そういうと、サぁは、また、くすくす笑う。今はオレだけに見せている笑顔。オレは、またカメラを構えたまま言った。 ケ:結婚おめでと。サぁ。兄貴にしっかり幸せにしてもらえよ? サ:ありがとー。ケースケ。おねーさんしっかり大事にしてよね。 返事の変わりに、そのとびきりの笑顔、オレだけに向けられた笑顔にシャッターを切った。 * みんなの前に出て行く直前のドアの前。サぁにだらしなく見とれるヒロトに、オレは、ツッコミを入れる。 ケ:てかさ~、寝ぐせっ。直しとけよっ。いちおー主役なんだからさっ。 相変わらず格好を構わないヒロト。ヒロトは悪びれもせず、 ヒ:僕、苦手なんだよな~、ほんと主役とかそういうの。 ケ:苦手とか関係ないんだよ。身だしなみだろ?サぁにハジかかせる気かよ? オレの言葉に、ヒロトは髪に手を伸ばす。 ヒ:身だしなみも、苦手だよ。んっと、結婚式って慣れそうにもないなぁ。 ケ:慣れる必要なんてないだろ?何度する気だよ。今日だけしっかりしてりゃいいんだよ ヒ:・・・ケースケさ~、悪いけど、ちょっと、代役してくんないか? ケ:は? ヒ:僕のかわりに、新郎役やってくれよ。 ケ:ばっ、何言ってんの? サぁの新郎。そんな幸せな立場にいるくせに。一生変わってくれるなら、喜んで受けるけど。 オレまでそんなバカなこと考えてたら、くすくす笑うサぁの視線を感じた。オレは慌てて、ココロをオフにして、 ケ:ほら、ここだって。 そっとその寝ぐせに手を伸ばしたら、 サ:いいよ。そのままで。ヒロトらしくていいじゃない? ニコニコいうサぁ。 ヒ:だよな。らしいのが一番だよな。 ニコニコ受けたヒロトは、サぁを愛しく見やって、 ヒ:どっちみち、みんな、サラしか見ないって。 言われたサぁは、少し恥ずかしそうに、 サ:でも、私はヒロトばっかり見てる。 なんて言ってるし。全開で愛し合ってる2人。オレなんて眼中にないし。 でも、そーだよな。そんでいーんだよな。 ドアから出てく二人にカメラを向けながら、 ・・・サぁばっかり見てる俺、いつかは、卒業できるかな。 って、思ったんだ。 ☆ ・・・・ お戻りはこちらへ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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