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影男の屋根裏部屋

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Dec 20, 2006
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カテゴリ:テレビ番組諸々

「僕道」三部作のトリ、ということですが、前作、前々作よりナーバスなテーマに踏み
込んだ意欲作となっています。

本ドラマの初回の感想でも述べたことではありますが、やはり最後まで基本的に娯楽性が
ある”ドラマ”という表現手段で扱うテーマにしては、荷が重過ぎたと思います。

自閉症患者の主人公と、それを支える周囲の人間の物語。
実は主人公の姿を通して、周囲の人間こそが癒されているという展開は無難であるし、
それなりに心温まる物語として完成はしていると言えます。

劇中でも、心無い人々の偏見や態度も描写されたりしていましたが、最終的には理解が
深まって改心するというパターンに落ち着き、それはそれでいいのだがやはり絵空事の
キレイ事に過ぎない、という印象しか残らないのであります。

おそらく、然るべき医療機関や専門家などの監修も受けているであろうし、充分注意を
払っていることは窺えるのだが、それでもやはり表現手段として”ドラマ”という形が
適切であったのかどうかは大いに疑問です。

理由は、日本国内だけでも同様の症状を持つ方とそのご家族が、少なくない数おられる
という点につきます。

もちろんそういった方々の多くが本作を好意的に捉えられておるのであれば、私ごときが
とやかく言う筋合いではありません。

しかしながら、この症状に対して基本的に無知な方が本作を観て正しく理解することが
できるとはとても思えないのであります。


”ドラマ”としての完成度、というよりも主演の草なぎ剛以下、出演陣の堅実な演技は
非常に安定感がありました。

特に素晴らしかったのはベテランの長山藍子。前作に続いての共演ですが、年恰好といい、
演技の端々から輝明を思う母の気持ちがうかがえました。
最終一話前の妹に向けた謝罪のシーンは特に印象的です。

大竹家の人々については長山藍子以外も子役含め、どなたもいい演技をされていましたね。

全体でも香里奈のデキがどうかなー、と思っていたのですが、目を覆うほどではなくて
安心しました。ま、単純に中盤から出番が減ったからだけかも知れませんがw

音楽もこれまでのシリーズ同様、うるさ過ぎず、よかったと思います。

テーマについての疑問を除けば、良くできた作品であることは間違いないと思います。






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Last updated  Apr 6, 2012 09:14:06 PM
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