|
カテゴリ:みる
仕事をなんとか切り上げて、歌舞伎の講座を聴きに行ってきました。 金森和子さんが語る邦楽のお話は 難解でもある世界を優しく魅力的に照らし出してくれます。 今回は、7月に行われる松竹新歌舞伎に合わせて『歌舞伎の衣装と芸談』でした。 取り上げられた演目は【伽蘿先代萩(めいぼく せんだいはぎ)】。 人物像や原作の元となった出来事など衣装・髪型からひもとき、同時に役者たちが語った 役作りの裏話、エピソードを解説してくださいました。 もぅおもしろくておもしろくてここに書こうとするととても書ききれない(笑 衣装や小道具の、見えるか見えないかくらいのところにもひとつひとつ意味合いがあり またその色使いの裏にある、役者たちの家の格の違いや上下関係など 知らなくても楽しめるけれど、知ってたらもっと楽しめるところが たとえばはるか昔の西洋美術における宗教画を思いおこしたりして。 こういう知識ひとつひとつが、文化であると何度も感心しました。 五つの場面からなるこのお芝居の中で、通しでも省略されることが多いという「竹の間の場」は 省略なんて勿体無いと思う、いいシーンがあります。 八汐(若君を殺そうと画策)の横暴を鶴千代(若君)が一喝し 沖の井が八汐の画策の矛盾をつくシーンは、すかっとするほどのかっこよさ。 八汐と乳人政岡(身を呈して若君を守る忠義者)が 互いに見得をして場所を入れ替わるシーンの美しさ。 この後の見せ所「御殿の場」にと続いていくからなのか その後の「対決」「刃傷」という男っぽい場のほうが人気があるからなのかわからないけど ほんとに省略は勿体無い・・・ 「御殿の場」には、飯炊きというシーンがあります。 毒入りの食事を盛られる恐れがあるため、政岡が茶道具を使いながらご飯を炊くのです。 見せていただいたVTRでは、丁寧に茶道具を扱うその手前の美しさにうっとりでしたん。 「竹の間の場」から「床下」への3つの場面はそれぞれめくるめくシーンの連続で 時間の都合でほとんど早送りになってたとはいえ、ほんとに楽しかった。 「床下」での仁木弾正の凄さは、台詞がなく動きだけで忍術使いの怪しさを見せるというところにあり 團蔵型(吉右衛門が継承)、幸四郎型とあるそうでそれぞれ口伝があるそうな。 VTRではキッチーがしびれるくらいの不敵な笑いをみせていました。 あっという間の2時間。 ぜひ来年の4月までに(改装のため)歌舞伎座へお越しくださいねというお言葉とともに終了しました。 次回は6月。人間国宝の澤村田之助さんを迎えての講座になります。 これも楽しみ。 ←楽天内で購入できる金森さんの著。 毎回の着物姿も楽しみな金森さんの今回のお衣装は、「床下の場」男之助の衣装から 六弥太格子を、もっと細かくシンプルにし染めてもらったそうで 遠目ではグレー地に十字模様に見えて素敵でした~ コーフンさめやらず教育テレビの歌舞伎を見ております(笑 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[みる] カテゴリの最新記事
|