星と月のおしゃべり

入院して5日目。

パパとかい☆とまーちゃんは、毎日病院に来てくれています。

でも、今日のかい☆は、何だかいつもと少し様子が違います。

　「ママ、どうしてまだ　とまってるのぉ？」

　「おなか切ったところが　まだ治ってないからね」

　「ふーん･･･」

その後、「早く帰ってきてよ」とか言うわけではありません。


みかんを食べて、最後に二房残したのを、

　「ママ、はい　どーぞ」

でも、ママもみかんをひとつ食べたところだったので、

　「ありがと　でも今はいいよ」

　「まーちゃんに　ちょうだい」

まーちゃんが言うと、

　「ママにあげるの！」

それならと、有難くいただきました。

大好きなまーちゃんよりママを優先するなんて、今までだったら考えられないことです。


ママがみーちゃんにおっぱいをあげている時、お医者さんごっこのセットを持ってきて、

　「ママ、かいちゃんのおなか　きって！」

　「まーちゃんが切ってあげるよ」

　「ママがいい」

授乳中の空いているほうの手で、お腹を切ったり注射したりしてやりました。
　

みーちゃんの爪を切っていたまーちゃんが、

　「かいちゃんも　切ってあげようか」

と言っても、

　「ママに　きってもらう！」


そんな風だったので、まーちゃんにみーちゃんを抱いていてもらって、二人でベッドの上でレスキュー隊ごっこしながら戯れました。

他愛無い遊びなのに何だかとても嬉しそうで、何度も何度も繰り返していました。

それでも夕方、「そろそろ帰るよ」と声をかけられると、

　「またあした　くるからねー」

と、素直に帰っていきました。


さすがに5日目ともなると、少し淋しくなってきたことが伝わってきます。

けれど、決してそれを前面に出して我がままを言うことはありません。

家でパパと二人でいる時も、びっくりするくらい聞き分けがいいそうです。

普段は片付けなさいと怒られるばかりなのに、昨日はパパに片付けるよう注意したくらいです。(^^;)



夜中、独りになった病室で、そんなかい☆の小さな胸に秘められたいろんな想いを考えていたら、涙が溢れて止まらなくなりました。

明日もたくさん遊んで、たくさんお話しよう。

みーちゃんを預けて、売店まで歩いてみようかな。

ママはかい☆がしっかりしたお兄ちゃんになってくれて嬉しいけれど、少しくらい我がまま言ってもいいんだよ。