ごく普通の日記 3
蒼き詩人の本業は、リーマンである。そして、一昨日まで同じグループの会社に派遣されていた。01年2月から05年3月まで、約4年1ヶ月である。派遣と言っても、場所は変わらない。会社の中に派遣先の会社の事務所が設立されそこに一人で派遣されたのだ。 この4年間、葛藤があった。派遣元から派遣先に転籍しようかと思う事も多々あった。そうする事によって、自分の専門性を磨く事が出来るし、思わぬ部署に配置替えされる事もない。しかし、幅広く仕事を覚えたいと言う欲求もあった。そして面白い事に、派遣元の上司は「給料はこちらから貰っているのだから、こちらの利益になるようにしろ」と言い、派遣先の重役は「こちらに派遣になったからには、忠誠心を持って欲しい」と言う。その狭間で仕事をして来た。一人しかいないから、具合が悪くても休めない。また、こちらが派遣元の社員へサポートする事があっても、逆はなかった。同じグループと言えど、下請けのような感覚だった。そうこうしているうちに、派遣元の上司と面談する事になった。移動を希望しないかと言われ、今のセクションには自分以外は難しいと答えた。上司は憮然として、それは思い違いだと答えた。その面談の2週間後、自分の派遣を解く人事が発令された。そして、一昨日派遣最後の日に、仕事をしている自分に派遣元の社長が声をかけてくれた。「長い間、派遣先で頑張ってくれて有難う御座いました。」そう言って固い握手をしてくれた。少しだけ、報われた気がした。