詩人の罪 with -seto hajime-
「汝己の罪を知れ」朧げに浮かぶ言葉を飼い殺し夢想のうちに潰えるそれは詩人が犯す罪のひとつ人の心は糸屑みたい縫い合わせるも切り崩すも指先で果たせてしまう「汝罪を重ねるなかれ」想像力の糧が囁く素っ頓狂な叫び声すら抑揚つけて演じ切れるさと胸を張るが誰ぞ引きだしに着想を仕舞う寝転んだ先の雲に思い慣らして「それでも思うように書けぬのだ」己の堕ちる様を眺める鏡が肢体を映すやがて這い回り始める腐敗を嗅ぎつける触覚が我が頬に触れた時呆然と見つめるしか術はなし「惨めな姿を剋目して見るべし」ただでさえ か細い脚が今にも折れそうなほど露わに骨身を剥き出してチキンのように皿に寝そべればこの身を総て曝すのならば初めてあの眼差しを確かめる汝その罪を悔い改めよその姿を世にあらしめよ