カプリース第24番イ短調
こちらは朝から小雨。憂鬱な休日だ。で、久々に天才少女(・・・だった。笑。今は幾つになったのかな?)五嶋みどりの「カプリース第24番」クワジ・プレストを聞いている。やっぱりこの曲はバイオリンがしっくりくる。バイオリンの鬼才、パガニーニの名は知っていたが、実際、彼の作品だと意識して最初に聞いた曲は、この曲だった。20数年前、藤原由紀乃のリサイタルに立ち会う機会があり、コンサート後、慰労会の中で、ロンティボー国際コンクールの時の話になり、この曲を弾いて(確か男性演奏家と1位を分け合ったとか・・)優勝することが出来たと知った。後で改めて彼女のCDを聞いたが、キラキラと輝くようなすばらしい演奏だった。残念なのはその時のコンサートでは弾かなかったこと。次に出会ったのが村治佳織のデビューアルバムでの演奏。師匠の福田進一がデビューには是非この曲をって選択したらしいのだが、当時の彼女の演奏からは躍動感が感じられるものの、若さゆえの荒さが目立った。そして、我が友(肩組んで写真撮っただけやないの・笑)エリオット・フィスク。彼はこの曲を最も得意とするギタリスト。セゴビア最後の弟子といわれている。リサイタルではバッハのシャコンヌを通常(・・・でも速いが)より1.5倍のスピードで完璧に弾き、観衆を唖然とさせた。そして、また彼の弾くカプリース第24番は超絶としか言いようがない演奏。パガニーニはこんな演奏を求めていたのかもしれない。最後に、最近知った中国の女流ギタリスト、メン・スーン。ワン・ヤーメンとともに中国屈指のギタリストだ。彼女の演奏は正確無比。まさに完璧といえる。荒さは微塵もなく、淡々とそして尚且つ速い。我が座右の銘「悠々として急げ」これにぴったり当てはまる。世界は広いと思った。さて、これより悪魔に魂を売った男の作ったこの奇想曲、悪魔を唸らせる演奏をする女性の演奏で全曲聞きまするです。はい。