フケツな国民
一人暮らしの独身男性であり、かつ遊びに訪れる友人やガールフレンドもいないオイラの部屋は、まあ、雑然としている。ソファの上に上着が掛かっていたり、流し台には昨夜使った食器が置きっぱなしだ。パンツだってふつう2日ずつ穿いているし、ベッドのシーツなんて2週間くらい交換しない。そんなことを口外したら、いかにもフケツなオトコやもめだと思われそうだが、オイラは自分ではむしろ独身野郎にしては衛生的な方だと思っている。例えば、部屋自体は雑然としていても、掃除機は2週間ごとには掛けてるし、ゴミも臭う前に頻繁に捨てている。ジョギングで汗をかくのでシャワーも毎日浴びているし、自宅に居るときは小便の後にチンポの先を拭いているくらいだ。同じ下着を2日も穿けるのは、身体が清潔だからこそできることなのだ。要は、外面的に散らかったりしていても、本質的な衛生状態は維持しているのだ。一方で、小ぎれいな格好をしていても、実際にはかなりフケツなヤツというのがよくいるよな。ブランド物を身にまとっていても、襟が垢まみれで、臭うヤツとか。オイラがアメリカで学生をしていた頃、学友のアメリカ人の女の子の部屋を訪れてその汚さに驚いたことがある。文字通り、足の踏み場がないのだ。床の上には上着だの下着だの教科書だの郵便物だの、コードだのCDだのスナックの袋だのビール缶だのが散らばっており、カーペットさえ見えない状態なのだ。オイラが一番驚いたのは、「洗濯済みの衣類」と「使用済みの衣類」とがごちゃ混ぜになっていたことだ。まさか使用済みのパンティが無造作にソファのそばに転がっていることもないだろうと思い、つまみ上げて見たら、小水と糞便にまみれた紛れもない使用済みのものだった。この子はきっと、臭いをかいで「洗濯済み」か「使用済み」かを判断してから衣類を身に付けているに違いない、と思った。オイラはこれ以降のさまざまな女性との付き合いから「女性の部屋の汚さと下着の汚さはほぼ比例する」という持論を持っている(今のところ、この持論が崩れるような経験はしていない(笑))。下着はさておき、清潔さというのは国民性によってかなり違うよな。多民族国家のアメリカの場合、個々人の清潔さというのはほんとにピンキリだ。でもまあ、彼らはほぼ毎日シャワーを浴びるし、デオドラントにはかなり気を使う方だから、先進国の中でも「きれい好き」な方だと思う。ヨーロッパでは、気候のせいなのかも知れないが、南欧のスペイン人やイタリア人はほぼ毎日シャワーを浴びているようだ、少なくとも女は。それに比べてフランス人やイギリス人のフケツさよ…。フランス人(ベルギー人もそうだ)なんて、2週間くらい平気でシャワーを浴びなかったりするもんな、しかもオンナが。セックスした後とかでもシャワーを浴びなくても平気みたい。身体に唾液とか精液を付けたままで翌朝ご出勤か。フケとか気にしないみたいだしさ。イギリス人も、フランス人ほどではないが、シャワーはせいぜい週1、2回の頻度だ。イギリスにホームステイしていた時、毎日シャワーを浴びていたら、ホストマザーに「どうして毎日そんなにシャワーを浴びなきゃいけないんだ。シャワールームでいったい何をしてるんだ。」とか本気で詰問されたもんなあ。オナニーでもしてると思ったのかな。ドイツ人は詳しくは知らないのだが、まあ、イギリス人並みかなあ。むかしユースホステルで、足の裏が臭いきれいなドイツ人のネーちゃんに会ったことがあるけど、あのギャップはちょっとショックだったよ。