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カテゴリ:翻訳バンザイ
唐突だけれど、米原万里さんが5月25日に亡くなったこと、1週間前まで知りませんでした。
ロシア語の同時通訳者だった米原さんが作家としてデビューしたのは「不実な美女か貞淑な醜女か」という作品。その面白さに感動し、他のエッセーなども買ったのだけれど、個人的にいちばん面白いと思ったのは上記のデビュー作と、最近まで週刊文春で交代で連載していた書評欄でした。 この書評欄で米原さんは、ガン再発後、自らのガンとの闘いについてかなり具体的な部分まで説明していました。ガン治療に関する本を書評の対象に選び、効果がありそうだと判断した治療法は実際に受け、ダメな場合はなぜダメだったのか、その理由や経緯も書かれていました。名前こそ伏せてあるけれど、実際の医師とのやり取り(「こんなに質問の多い患者は初めてだ、治療費全部返すからもう来るな」と言われたこととか)が記されていたので、問題にならないのかな、大丈夫なのかな、と毎回はらはらしていたのだけれど。こんなに早くお亡くなりになるとは、本当に残念です。 ちなみに、「不実な美女か貞淑な醜女か」は、通訳・翻訳の現場について書かれたエッセーなのだけれど、通・翻訳者以外の方もきっと楽しく読めると思います。おすすめです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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