今日は真夏のような暑さでしたね。得意先回りで、長い距離の起伏の激しい坂道を歩き回ったせいで脱水症状になるかと思いました。それでも川沿いの舗道の向こう岸に位置していた、名も知らぬ高校のグラウンドから聞こえてくる野球小僧達の掛け声に鼓舞されながら、何とか務めを果たせました。神奈川県は全国屈指の激戦区だけれど、彼等には甲子園目指して精一杯力を出し切って欲しいものです。
暑さがピークの中、突然目の前をモンシロチョウが羽をひらひらさせながら通り過ぎていきました。目で追うと眼下のコンクリート舗装された川岸に、仮眠中のカルガモが3羽。コガモの姿は親離れしたものか一切見えませんでしたが、実に微笑ましい光景でしたね。大好きな山口誓子の句「天よりもかゞやくものは蝶の翅」を想起させてくれた、晩春の午後でした。
今夜のBGMはブラームスのヴァイオリン・ソナタ全集。ショパンやラフマニノフ弾きのイメージが強烈なアシュケナージのピアノは、ロマンティシズム溢れるブラームスの楽曲であっても優雅この上ありません。さらに主役のパールマンが凄い!1983年の録音ですので愛器ストラディヴァリウス「ソイル」入手前だったはずですが、名盤の誉れ高い「パガニーニ/カプリース」に顕著な超絶技巧のみならず、素晴らしい美音で聴き手を法悦の境地に誘います。
こうなれば今宵の酒はワインですね。コストパフォーマンス抜群なチリの名門、サンタ・リタ社「シェント・ベインテ・ソーヴィニヨン・ブラン」を開けて、kiriのクリームチーズを生ハムで巻いて肴にしましょう。うーん、庶民ならではのささやかな贅沢だ。