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カテゴリ:クラシック
今日ははるばる東京・浜松町の産業貿易センターまで研修に行ってきました。20代の頃にはレコード店と古書店巡り目的であちこち歩いたものですが、今では人の多さが鼻につくだけ。夏のような暑さも相俟って、正直気分が悪くなりましたねえ。
もうCDも古書もインターネットで楽々買える時代になりましたし、敢えて神奈川の県央から遠出するならば、もう美味しい料理目的しかありません、それも安くて旨いビストロですね。何年も前から高田馬場の名店「ラミティエ」に行きたい!カツオとアボカドのタルタル、鶏の白レバーのムース、鴨と豚のリエット、田舎風お肉のパテを食べたい!と思いつつも(濃ゆい前菜ばっかり)、不幸にもフランス料理が苦手な相方と一緒になってしまったので、このままでは夢のままで終わりそうです。どなたかご一緒してくれる方はいないかしら。 昼休みが1時間弱で土地勘もないため、昼食はビル内のレストランで済ませました。海老フライのランチ・800円を注文したのですが、海老はまずまずながらもご飯がとにかくひどかった!明らかにグレードの低い米。ほっともっと、オリジン弁当の方が数倍上質の米を使っているのは間違いないという惨状で、一気に気力が萎えました。明日の研修最終日は当然素通り予定です。 今夜のBGMはドビュッシーにしました。最初はジャック・ルヴィエの全集で「ベルガマスク組曲/月の光」を聴きながらポール・ヴェルレーヌの詩集をパラパラとめくっては悦に入っていました。同タイトルの最終節が何とも味わい深いのですね。鈴木信太郎博士の訳詩は浅学非才の私には高尚すぎるので、堀口大學の名訳を引用してみます。 枝の小鳥を夢へといざない、 大理石(なめいし)の水盤に姿よく立ちあがる 噴水(ふきあげ)の滴の露を歓びの極みに悶え泣きさせる かなしくも身にしみる月の光に溶け、消える。 -月の光- 「ヴェルレーヌ詩集/堀口大學訳」(新潮文庫)より引用 うーん、これぞサンボリスム(象徴主義)の極み。明日も朝早くから浜松町くんだりまで行くのが馬鹿馬鹿しくなりますが、こうなればドビュッシーの傑作ピアノ曲「映像」を、それも決定盤のミケランジェリを聴かなくては!という訳で早速交換。いやいや、やっぱりミケランジェリのドビュッシーは凄まじい。ルヴィエの楷書的な表現とは正反対ですね。 「鐘の音は葉ずえを渡り、月は荒れた寺にかかり、金色の魚が水面を跳ねる」、第2集・全3曲の標題から沸き出でる悪夢すれすれの鮮烈な映像美が、眼前に広がります。さてさて、今夜は一体どのような夢が見られるのでしょうか。
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