仕事から帰ってほぼ休みなく皿洗い、風呂掃除、洗濯物干しを済ませ、気がつけば既に0時を回ってしまいました。これだけ家事に協力しても、相方はあれこれ重箱の隅を突いてきます。。流石にいい加減にしろ!と反論したものの、暖簾に腕押し糠に釘。口論が白熱する前に自分から一歩引きました。
何処の夫婦でも似たようなぶつかり合いはあるのでしょうが、同じことの繰り返しばかりでいささか疲れてきましたねえ。。相変わらずの気弱な書き出しで情けなくなりますけれども、実体験に基づくアドバイスを諸先輩方から頂戴できれば有難く思います。まだまだ私も修行が足りません。
今宵のBGMはクライスラーの小品集にしてみました。甘美な音色よりも完璧な技巧が重要視されてしまう風潮、所謂「ヴィルトゥオーソ(超一流技巧者)への偏執狂的礼賛」は、一般的には一世紀前の神童ヤッシャ・ハイフェッツのセンセーショナルなデビューを以て嚆矢とされる模様ですね。
私は勿論ハイフェッツの盤も大好き。しかしながら、水蜜桃さながらの甘いトーンで聴き手を癒してくれるクライスラーやティボーのヴァイオリンも、初めて聴いた時からずっと愛してやみません。耳元で囁くクライスラー自作の「美しきロスマリン」「愛の悲しみ」「愛の喜び」、大バッハ作「ガヴォット」「アダージョ」、シューマン作「ロマンス」、そしてドヴォルザーク作「ユーモレスク」!相方との諍いが馬鹿馬鹿しくなるくらいに、穏やかな気持ちにさせて貰えます。
技巧が劣るというだけで、往年の巨匠達が顧みられないというのは悲しいことです。21世紀の演奏家の卵達が温故知新の精神を会得できる様に、指導者の皆様に励んで頂ければ嬉しいですね。それではクライスラー極上の名演、チャイコフスキー作「アンダンテ・カンタービレ」を聴きながらペンを置きます。おやすみなさい。