今夜は妻(嫁とか相方とかの表現は失敬!とダメ出しが入りました)がお友達と一緒に、神奈川県民ホールへ県警音楽隊の定期演奏会に行って来ました。北陸出身の彼女は全国屈指の名門中学吹奏楽部に在籍、何と全日本吹奏楽コンクールで銀賞を受賞した猛者なのです。今でも吹奏楽のサウンドがテレビ等で流れるたびに自然と身体が反応し、パントマイマーのようにリズムを刻んでおります。
さてコンサートの方ですが、コープランド作「市民のためのファンファーレ」で開演。ロック愛好家にはエマーソン・レイク&パーマー版「庶民のファンファーレ」としてお馴染みの名曲ですね。しかし冒頭のトランペットがあんまり上手でなく、椅子から滑り落ちそうになったそうな。それでも徐々にバンド全体が調子を取り戻した結果、まずまず楽しめたみたいです。
帰宅後お土産のドーナツを共に食べながらリクエストに応え、カラヤン指揮「チャイコフスキー/スラヴ行進曲」を聴きました。例のコンクールで披露した受賞曲で実況録音盤の記念レコードも作られたそうですが、初めてその話を聞かされた時、中学生が演奏する曲にしては技巧的に随分と複雑な構成だなあと驚嘆したものです。日本のアマチュア吹奏楽団は、当時から相当ハイレベルだったのでしょうね。練習がとにかく厳しく完全な体育会系の指導だったと、妻も述懐していました。
私の所持するCDはムラヴィンスキー指揮「悲愴」とのカップリングで購入動機はそちらが本命でしたが、今では私もベルリン・フィルの重厚なサウンドにすっかり惹かれ、愛聴盤となっています。オスマン帝国軍に虐殺されたセルビアのスラヴ人キリスト教徒への追悼曲ということで、初演時には同胞達の歓喜と熱狂の渦が巻き起こったとか。聴き手側も思わず敬虔な気持ちにさせられてしまいます。
おっと、またしてもこんな時間だ。NHK衛星第二では蜷川幸雄演出「ハムレット」を放映中ですね。オフィーリア役の篠原涼子の発声がこなれていないものの、その艶やかな肢体と雰囲気に魅了されそうです。この舞台が市村正親と結ばれる契機だったのですね、実にお似合いの二人だなあ。しかし見所は何と言ってもクローディアスと先王ハムレットの亡霊の二役を演ずる瑳川哲朗、そしてガートルード役の夏木マリに尽きるでしょう。後日に録画放送で全容を楽しむこととします。それではおやすみなさい。