今夜も我がSBホークスは勝利してくれました。四連勝に貢献してくれた藤岡投手、先発初勝利おめでとう!先発の軸・大隣投手が交通事故に巻き込まれ登録抹消という暗いニュースを吹き飛ばしてくれる快投でした。
さて今夜のBGMですが、ハイフェッツによるシベリウスのコンチェルトにしてみました。何時でも直ぐに取り出せる場所に鎮座まします、愛聴盤の1枚です。
第1楽章アレグロ・モデラートの冒頭テーマから、ハイフェッツならではの鋭い切れ味と官能的な弦の響き!この箇所をシベリウスは「極寒の澄み切った北の空を、悠然と滑空する鷲のように」演奏せよと述べていたそうですね。以前にNHKのドキュメント番組で目にした、オホーツク海の遥か北方から流氷と共にやって来る天然記念物オジロワシの姿を、聴くたびに思い起こします。
鷲と言えば我がSBホークスの天敵・東北楽天ゴールデンイーグルスのマスコットキャラクター「クラッチ&クラッチーナ」が目に浮かびますが、同時にシベリウスの創作力に多大な影響を及ぼしたフィンランドの民族叙事詩「カレワラ」の一節を連想します。賢者ワイナミョイネンが大地を開墾する中、鷲の休息地として一本だけ白樺の木を残す。それに感激した鷲が火を起こし、畑を焼いて麦が大いに実ったという、焼畑農業のメリットを示唆するような挿話です。
やがて白樺に郭公がやって来て、豊作を誉め讃えるように歌い囀るところで、本挿話は幕を閉じます。ワイナミョイネンは鷲のみならず郭公の止まり木としても、白樺を残しておいたのでした。大自然との調和を考えさせられる忘れ難いエピソード(第二章)ですが、幸い我が国でもリョンロット編纂本が岩波文庫で読めます。シベリウス鑑賞のお供として推奨させて頂きつつ、ここらでおやすみなさい。