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本厄サラリーマンの「感動の記録」

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2009.06.04
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カテゴリ:ロック(洋楽)
遠藤周作の「沈黙」を読了しました。第二回谷崎潤一郎賞を受賞した、我が国屈指のカトリック作家の代表作です。無宗教者であるが故に所謂カトリック作家の作品に心底共感することはできないだろうとの諦念から、私はこれまで「白い人・黄色い人」以外の氏の作品を意図的に敬遠してきましたが、もっと早く読むべきであったと正直後悔しています。

徳川幕府の禁教令発布直後の長崎が小説の舞台。奉行所に棄教・背教を迫られながらも強固な意志を以て聖職に殉じようとする司祭セバスチァン・ロドリゴが、弾圧され続けるキリシタンを前にしても冷徹に沈黙を守り通す「神」を懐疑していく過程が最大の読みどころですが、絶えず揺れ動き苦悩する、哀れな一司祭の心理描写の鮮やかさに私は終始圧倒され、今更ながら亡き遠藤氏の筆力を称賛せずにはいられませんでした。また同時に、無宗教者の私がこうまで感動させられる力の源は一体何なのかとも、考えさせられてしまいました。

神は、キリストは存在するや否や?キリスト教の誕生以来古今東西で論争されてきたこの深遠なテーマについては、あの聖女マザー・テレサも存在否定派であったという意外な事実が、彼女の死後に発見された多数の書簡から明らかにされたのは記憶に新しいところです。つまるところ遠藤氏の化身であるロドリゴもテレサも、神を絶対の存在と崇めたが故に「信徒の苦難を傍観するしかできない、神の無力さ」を是認することに耐えられず、苦悩し煩悶したのでしょう。誰よりも敬虔な信徒でいようとしたがために。

それでも小説はこのように結ばれます。「たとえあの人は沈黙していたとしても、私の今日までの人生があの人について語っていた」と。神=キリストは踏み絵を実践せざるを得なかった無力な信徒ロドリゴを赦し、ロドリゴは沈黙するしかない無力な神=キリストを赦す。信仰者と被信仰者が互いの弱さ、有限性を認識することの意義と尊さを、作者は最も訴えたかったのではないか?そしてその目的が成功しているからこそ、「沈黙」は読み手に信仰の有無を超えた感動を与え得るのではないでしょうか。

よって、私は神が万能なのだと吹聴する人間を信じません。多くのキリシタンが残忍な拷問の果てに命を落としてきた中、どうして無力な神に固執できましょう。また、神の名前を安易に利用する輩も信じません。あのラス・カサスの名著「インディアスの破壊についての簡潔な報告」が告発するように、ピサロやコルテスに代表されるスペイン人のコンキスタドール(征服者)達は、キリスト教の名の下に新大陸の先住民殺戮に明け暮れました。

一体キリスト教徒にとって、神とはどのような存在なのか?私はふと、ジョン・レノンがビートルズ解散後に発表した傑作アルバム『ジョンの魂』収録曲「GOD」を思い返しました。下記に掲げる拙訳を読み返しつつ、今一度キリスト教の本質について考えを巡らしたいと思います。その契機を与えてくれた遠藤氏を偲びながら。。それではおやすみなさい。


「GOD (神) 」 by ジョン・レノン 

神なんてものは、
僕等の傷みの度合いを測るための観念でしかないのさ

もう一度言おう
神なんて、僕等の傷みを測るための観念なのさ

僕は魔法なんて信じない
易経なんて信じない
聖書なんて信じない
タロット占いなんて信じない

僕はヒトラーも信じない
イエス・キリストも信じない
ケネディ大統領も信じない
仏陀、バラモン教、ヒンドゥー教、ヨガ、全部信じない

僕は王様も信じない
エルヴィス・プレスリーも信じない
ボブ・ディランも信じない
ビートルズだって、信じない!

僕が信じてるのはヨーコ、そして僕だけ
それが現実さ
夢は終わったんだ 僕に何が語れよう?
夢は「昨日」、確かに終わったのさ

僕は夢織り人だった
でも今は生まれ変わったんだ
僕はセイウチだったこともある
でも今は、ただのジョンさ

そんな訳だから 親愛なる友よ、
耐え続けておくれ
だって、夢は終わったんだもの

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沈黙改版

紹介本!
インディアスの破壊についての簡潔な報告

ラス・カサスの名著(写真無)!


無人島への携行盤!





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最終更新日  2009.06.05 01:44:21
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