NHK衛星第二で放送されるクラシック音楽の関連番組は、間違ってもブルジョワジーではない生粋のプロレタリアである私の秘かな愉しみです。今日の「N響定期公演」はフィンランド出身の指揮者兼ピアニスト、そしてイケメン作曲家というオッリ・ムストネンの独演会でありました。
1967年6月7日生まれということで、完全に私と同世代。出自も才能も将来性も偉い違いだと感嘆しつつ、自作の管弦楽曲「3つの神秘」を聴きました。ああこりゃ同郷のシベリウスに相当感化されてるなあと思いながらも、なかなか聴き応えのある音楽でしたねえ。
続いてベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」のピアノ編曲版という珍しい演目。ちゃーらーちゃーらー、ちゃーちゃーらーらーらーらー、どんどんどん!とニ長調の出だしが始まった矢先、無情にも妻にチャンネルを変えられてしまいました。。全くいつもながら芸術に理解のない、無粋極まりない唐変木です(最近私のブログを読んでないみたいなので、強気に呟いてみました)。
そうこうしている内に、市村正親主演「キーン」の録画が始まってしまいました。大デュマの原作をサルトルが戯曲化した舞台劇で楽しみにしていましたが、終了が夜明け近くになるのでN響も舞台も後日に回し、乱れた精神を鎮めようとバッハの無伴奏ヴァイオリンを聴いています。
傑作の誉れ高いクレーメルの新盤は残念ながら未聴なので、昔からの私のベスト1であるシェリングの1967年録音盤を。ああ、ソナタ第1番ト短調のアダージョの崇高な響き!今夜も思わず膝を正してしまいますねえ。シゲティ、グリュミオーと聴き倒したいところですが明日も仕事ですので、ここらでおやすみなさい。