今日も先月に引き続き、東京は浜松町くんだりまで営業研修に行って来ました。行きは傘が役に立たないくらいの大雨で、午後からはずっと蒸し暑いという最悪の天候でしたねえ。来週には早くもプール&海開きの7月に突入する訳で、クールビズが許されないサラリーマンにとっては厳しい季節となりそうです。
ここのところロックやフォーク、そして歌謡曲等のネタが多かったので、今夜のBGMはシンプルにベートーヴェンのテンペストにしてみました。とにかく色々なピアニストのCDを集めて来ましたけれども、クラシックを聴き始めた頃からずっと傍らに置いてあるバックハウス盤が、昂る神経を落ち着かせてくれます。
以前は音質の良い1963年録音のステレオ盤が愛聴盤でしたが、最近は1952年録音のモノラル盤がお気に入りです。何しろ19世紀末(1884年)に生誕した演奏家ですから、やっぱり若い頃の演奏の方が技巧的には秀でていますし、特に第3楽章における剛毅さと繊細さが相半ばする高速パッセージに聴き入ってしまいますね。第2楽章の静謐なアダージョも言葉を失い欠けるほどに素晴らしく、これぞベートーヴェンの芸術と感嘆するばかり!さらに2年後のカーネギー・ホール実況録音盤もお薦め。ライブならではの鬼気迫る演奏に、圧倒されること請け合いですね。
ところで本曲がシェイクスピア最晩年のロマンス劇「テンペスト=あらし」をモチーフに作曲されたというのは果たして真実なのか、或いは楽聖の冗談なのか何とも判りかねますが、正直私は余り好きになれない作品です。とにかく筋立てが荒唐無稽で登場人物も魅力に乏しく、どうしても悲劇、史劇&ソネットの方に興味が偏ってしまいますね。私の審美眼にも多分に問題があるかも知れませんので、お好きな方にはごめんなさい&未読の方も一度は体験してみて下さい。それでは今夜はこの辺で、おやすみなさい。