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カテゴリ:読書
※またしてもヤフーモデムの具合が悪くなり、昨日はブログ更新ができませんでした。新品に交換したばかりなので原因が他にあるのかも知れませんが、先ほど一時帰宅したら幸い自然復旧していたので下記に記します。
※今日は朝からマイケル・ジャクソンの急逝という、痛恨のバッド・ニュースが飛び込んで来ました。ブラック・ミュージック界の希代の天才に哀悼の意を表します。マイケルの思い出については別途ブログで書かせて頂きます。R.I.P. --------------------------------------------------------------------------- 今日は東京はお茶の水まで商談に行って来ました。前後で神奈川県央の顧客回りをしていたので、スケジュール的には相当厳しいものがありましたねえ。幸い小田急線のロマンスカーを往復で利用できましたので、快適な環境下でアルチュール・ランボー作「地獄の季節」を読んでいました。私はビジネスバッグに必ず文庫本を何冊か忍ばせて出勤するのですが、今朝は久しぶりにランボーでも読み返そうかと思い、小林秀雄訳の岩波文庫を入れて置いたのです。 元々、ランボーを知ったのはサントリー・ローヤルのコマーシャルがきっかけでした。灼熱の太陽が照りつける砂漠に群がる、フェリーニの映画に出てくるような火吹き男やジャグリングの達者な大道芸人。やがて何処からか、シルクハットと黒マントという暑苦しい姿で現れる謎の美青年。そして強烈なキャッチコピー「ランボー。あんな男、ちょっといない」というナレーションで締めくくられる、実に鮮烈な映像美でした。 インターネットで調べてみたら1982年の製作、即ち私が14歳の時の作品だったのですね。当時はフェリーニもランボーも当然知らず、エラリー・クイーンや「月間明星」付録の歌本、そして少年ジャンプ等に夢中で、ようやくビートルズのアルバムを知り始めたばかりの少年でした。高校入学後に知り得た堀口大學訳の新潮文庫「ランボー詩集」に衝撃を受け、それから家族や恋人の冷たい視線を受けながらの文学逍遥が始まった訳ですから、今でも思い入れの深い詩人です。もっともフランス語は情けないことに全く解しませんので、せめて日常会話くらいは何とか死ぬまでに身に付けておきたいなあ。 さて、今回「地獄の季節」を選んだ理由ですが、最も好きなフレーズを読み返したくなったからに他なりません。散文詩「錯乱・パート2」から抜き出してみます。 また見つかった、 何が、永遠が、 海と溶け合う太陽が。 独り居の夜も 燃える日も 心に掛けぬお前の祈念を、 永遠の俺の心よ、かたく守れ。 -「地獄の季節」- 小林秀雄・訳(岩波文庫) 最初の有名な3行は、ゴダールの傑作「気狂いピエロ」の衝撃的なラストシーンでも引用されていましたね。ここに白状すると、二十代半ば頃に交際していた文学好きの年上の女性に、無謀にも捧げた過去があります。曰く「あなたは僕の太陽になれるだろうか?」、嗚呼、何という暴挙!もう若気の至りとして笑い飛ばすしかありません。それではここらでお休みなさい。
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最終更新日
2009.06.26 13:44:29
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