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カテゴリ:ロック(洋楽)
昨夜のウィンブルドン決勝戦は、結局最後までテレビに齧りつきでした。ご贔屓のフェデラーが何とか勝利してくれて安堵しましたが、ロディックの試合に賭ける気迫が尋常じゃありませんでしたねえ。
それでも21世紀の芝の王者の壁は、かくも厚く揺るぎないものでした。VIP席から観戦していた嘗てのウィンブルドンの申し子ピート・サンプラスも、今更ながらフェデラーの力量に感嘆したことでしょう。好敵手ナダルがコンディションを整えるまでは、フェデラー時代は当分続きそうですね。 私はテニスラケットを握ったことすらない観戦専門の人間ですが、小学1年生頃でしたか、漫画好きの年上の従姉が読んでいた山本鈴美香の傑作『エースをねらえ!』を盗み読みして、テニスの面白さを知りました。キング夫人、コート夫人、アイス・ドールの異名で知られたクリス・エバート等の実在の名選手が登場していたことにも興味を掻き立てられたものです。 その後は少年ジャンプで連載されて人気を博した、テニス漫画の名作『テニスボーイ』(1979~1982年)に夢中になりました。凡百の熱血スポーツ根性物語とは明らかに一線を画す、ゴージャスで洗練された作風が何とも斬新でしたねえ。テニスに関する蘊蓄もコラム的に適宜挿入されていて、ジミー・コナーズやジョン・マッケンロー、ビョルン・ボルグの存在を初めて教えてくれた作品だったと記憶しています。 そう言えば、ビートルズの名曲「イエスタディ」を初めて知ったのも本作でした。主人公の飛鷹翔とペアを組んで男女混合ダブルス戦を戦っていく美少女・岡崎先輩が、翔君と恋人気分で陽だまりの舗道を散歩しながら物憂げに口ずさむシーンが懐かしいなあ。もっとも翔君は私も未だ聴いたことがない、ずうとるびの「ウッカリBOYチャッカリGAL」しか知らないというオチがつくのですが。幸いにも復刻版が入手可能なので、機会があれば読み返してみたいものです。 ところで豆知識を一つ披露しますが、山本先生はロック・グループのシカゴが大好きだったみたいですね。特にギター担当のテリー・キャスにご執心で、作品中で告知ポスター的にシカゴ&テリーへの求愛表現が何度となく書かれていたものでした。 私もシカゴ、特にキャスの破壊的なギターが大好きでしたが、世代的には完全な後追い。晩年はアルコール&ドラッグに蝕まれ美貌も衰え、終いには銃の暴発によって非業の死を遂げてしまったキャス。生で接する機会は永遠に失われてしまいました。 今でこそ「素直になれなくて」に代表されるAOR的イメージの強いシカゴですが、その真髄は間違いなくキャス在籍時の音源によって体感できます。代表作の4枚組ライブ盤『アット・カーネギー・ホール』を久々に聴きたくなりましたが、夜も遅いのでここらでおやすみなさい。
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