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カテゴリ:クラシック
今日も灼熱地獄のような暑さでした。ネクタイ+スーツ+長袖シャツというフル装備が辛いのなんの!我慢大会の出場者じゃあるまいし、完全に時代に逆行している会社で苦闘の日々を送っています。
それでも我が社の代表は今日も変わらず、ダブルのスーツ+ポケットチーフ+高級カフスという出で立ちでしたねえ。快川紹喜(かいせん・じょうき)の辞世「安禅必ずしも山水を用いず、心頭滅却すれば火も亦た涼し」を率先垂範している営業マンの鑑です。大したもんだ。 さて、今日は七夕ですね。平塚の七夕まつりも無事に終わったんでしょうか。ニュースでは繁華街の暴力団事務所で発砲騒ぎがあったの何だのと騒ぎ立てていましたが、私は今日が誕生日の音楽家のCDを聴きながら過ごすことにしました。 調べてみたら、著名人が多いんですね。私の好きな音楽家だけでも、リンゴ・スター、ジョー・ザヴィヌル、ハンク・モブレー、クニ河内、研ナオコ、近江俊郎、王様etc、中々ユニークな面子です。J-POPのビッグネーム、MISIAまで名を連ねていました。 しかしクラシック好きとしては忘れちゃいけない、グスタフ・マーラーも今日が誕生日。交響曲全集も色々集めてはみましたが時間的に聴き通せないので、手近に置いてあるハイティンク+ベルリン・フィルの第5番を今夜のBGMに。勿論お目当ては第4楽章アダージェットです。 ハイティンクのマーラーと言えば、名門アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者時代に録音した交響曲全集が有名ですが、価格が高く未入手のまま。よって所持しているのは本盤のみですが、第1楽章の葬送行進曲からして素晴らしい内容です。金管と弦のバランスが絶妙で、頗る楷書的なマーラーと言えましょうか。 さて、書き進む内にアダージェット冒頭のハープがポロンポロンと鳴り出しました。ルキノ・ヴィスコンティ監督の傑作『ベニスに死す』のラストシーンが、条件反射的に甦ります。旅先ベニスで出会ったギリシア彫刻さながらの美少年タッジオに、老いらくの恋を悟り煩悶する音楽家アッシェンバッハ。想いは実るはずもなく、遂には運悪く流行病のコレラに罹患し寂しく客死してしまうという救いようのない話ですが、絶望的な無常観を芸術美に昇華させたヴィスコンティの手腕に脱帽したものです。 タッジオを演じたビョルン・アンドレセンは、映画史上最高の美少年だったとつくづく思います。アッシェンバッハに扮したダーク・ボガードの演技も絶品で、ビスコンティの代表作であるばかりでなく映画史に永遠に名を残す名作として推奨したく思います。トーマス・マンの原作も数種類の文庫が発売中ですが、実吉捷郎氏の格調ある訳文を堪能できる岩波文庫版がお薦めですので併せて一読を!それではまた。
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