冠婚・葬祭・森羅・万象

初七日も終わり　なんだか一段落と言いたいところですが
役所などへの届出やなんやかんやでなかなか落ち着くものではありません。

初七日は寺院に着て頂いたわけでもなく　日常の中で過ぎて行きます。
４９日には納骨してあげようねと家族や親族で話し合っているのですが。

年間１００万前後のお葬式があります。
こんな事柄が全国で日々３０００前後行われているのです。

そう考えるとお葬式に関するビジネスはとてつもなく大きなビジネスです。

そして心にとてもとても届くビジネス。のはずです。

さて　地味葬というか家族葬というか密葬というかは別にして
お葬式の形態は変化し続けています。

昨日お邪魔した富山県のオーナーも密葬が増えてきたと心配されていました。

北陸富山　石川等は真宗王国と言われるほど信心深い人々が多いところ。
お葬式になると沢山の方々が参列されお経を唱えられます。

その信心深い地域でも真宗大谷派の大きなお寺のある地域でさえ
家族のみで火葬を済ませ「家族葬」ではなく「密葬」として
儀式を済まされるところが増えてきたようです。

火葬場の横に作った待機場としての小さな会館。

大きな有名な寺院から目と鼻の先にある小さな会館。

そこで行われる密葬。

別段隠すべき死因ではないにも関わらず。

東京のある区では３０％近くの直送といわれる火葬のみの
遺体処理が行われているそうです。

故人の尊厳って無宗教でもしっかりと表現できるはずですが
なかなかどっこい　近年の喪主様は　

とにかく煩わしい事には関わりたくないそうです。

喪主になる事さえ嫌がる方もおられるそうで

驚きです。

日本はどうなるんだろうと考えさせられます。

宗教儀式としての「お葬式」が色々な名前によって変化していますが
大きくは従来の「お葬式」と
近年言われる「家族葬」の２つに分けられます。

「お葬式」は社会的通過儀礼としての儀式であり
近隣の人々や社会的につながりのあった会社関係や友人知人を招いて
故人を葬送するものでした。
このビジネスモデル？は近年全国区であり　葬祭会館の出現により
いいか悪いかは別にして
全国津々浦々　ほぼ同じような儀式になっています。

そして高齢化と共に「お葬式」が「家族葬」という新しい言葉と共に　
メディア等で葬儀ビジネスが大々的に取り上げられるようになり
新しいお別れの形が出来つつあります。

宗教儀式もするけれど　家族や近親者のみで故人を納得する形で見送る。

これが「家族葬」ですが

亡骸を病院から自宅へ安置する事なく、葬祭業者の安置所へ預け
火葬を済ませ　葬儀等の式は行わない。
耳を疑うような、お骨も引き取らないなんて人々も出現しているそうだ。
そこまで行くと情けないの一言だけれど

どうもそんな時代がついそこまで来ているようにも思える。

葬祭会館の設計や開発のお手伝い、葬祭会館の活性化等を生業にしていると
現状の葬祭会館とコンビニエンスストア型の葬祭会館がすぐにでも必要に
思える。

私もコンビニ型の会館が近くにあればそこを利用していたに違いない。

自宅でするにはとてもお葬式は大変である。
足腰の弱い関係者は自宅でも椅子で見送りをする。

わが家の自宅葬は
端から見たらへんなお葬式だったろう。

家族葬専門の空間は現在の会館をリニューアルして対応する事ができるが
まったく新しい形態の住宅型やレストラン型・料亭型の「家族葬」空間が
どんどん出現し　その需要がとても高まるに違いない。

いつまでも「大きな事は良い事だ」的葬祭会館では
消費者の気持ちには響く事はないだろう。

「価格」や「スケール」ではないお葬式の変わり方を
いち早くキャッチし対応した経営者だけが
葬儀ビジネスの勝者となる時代はもうすぐくるように思える。

そしてそんな会館で心温まるお見送りが出来る時期が早く来る事を
望んでいるし、そんなプレゼンテーションをどんどんして行こうと考える今日である。