若き地井武男さん
「ちい散歩」や「太陽にほえろ」「北の国から」シリーズ等、数多くの映画、ドラマでその圧倒的な演技力で存在感を出し、
また
バラエティー番組ではものまねなどで独特の個性を発揮していらした
俳優地井武男さんが今朝、心不全のためお亡くなりになりました。(70歳)
13:14に速報が流れたばかりで、だ詳細は分からないのですが、
私は実際にお会いし、お話し、サインもしていただいた者として、
その時の思い出が蘇えり、懐かしさと悲しさで一杯です
地井さんの数多い名演技の中でも特に有名なのが
ドラマ『北の国から2002・遺言』で、
地井さん演じる「中畑和夫」が田中邦衛さん演じる「黒板五郎」に対し、
妻がガンにより余命宣告を受けたことを打ち明けるシーンですね。
実はこの数ヶ月前に、
地井さんの奥様がガンにより亡くなられていたのです。
ですから、そのシーンの撮影中、
地井さんは亡くなった奥様のことが脳裏から一時も離れず、
そのため
大量の涙と鼻水を垂れ流しながらの文字通り「迫真の」演技をなさったのです。
それを観ていた私も
ゴミ箱が一杯になってしまう程にもらい泣きしてしまいました
私が地井さんとお行き会いしたのは、私の小学校で映画のロケがあった時です。
当時その木造の校舎は新校舎建築中で、完成し次第取り壊されることが決まっていました。
撮影を許可するか否か賛否両論、喧々囂々していた時に、
当時の校長先生が
「取り壊されてしまうこの伝統ある木造校舎がフイルムの中に永久に残ります。」とおっしゃったことを思い出します。
そして私は接待係として、出演者や裏方さん達に冷たい飲み物などをお配りすることになりました。
地井さんの第一印象は“自然体で優しくて明るい方だなあ”ということ。
確かに抱いた印象のとおりの方でした
飲み物を差し出す度に丁寧に「ありがとうございます」と仰ってくださいました。
「折角の夏休みなのに大変ですねぇ・・・」と声を掛けてくださった時もあります。
「イエイエ、こんな経験は滅多に出来るものではありませんし、とても良い経験になります。」とその時お返事したように覚えています。
色紙とマジックを持参してサインをお願いに行った時も、快く大きく“地井武男”と書いてくださいました。
この色紙は額に入れて今でも自宅に大切に飾ってあります。
突然の訃報に驚きましたが、
地井武男さんのご冥福をお祈りしながら、
このブログを地井さんに捧げます。