ギターが俺を呼んでいる☆
ギターと出会った よる
十四才の誕生日
ヤマハの生ギター
ギターケースの酸っぱいにおい
音楽室の におい
背筋がしゃんとした
ネックをにぎる
弦をおさえてみる
えっ
音がでない
指がいたい
一瞬 気が遠くなる
弾けるわけがない
せつない イメージ
教則本のオッサンが
さも 簡単そうに ギターをもてあそんでいる
俺 かたまっている
まずは
なにやら
コードとやらが
C,D,E,F,G,A,B☆ときたもんだ
はぁ?
なんで?
なんでCから?
わからない わからない
ドレミ♪じゃねぇのかい
ドイツなのか フランスなのか
外国は 考えることが ちがうぜ
嗚呼 ギター
これは 一筋縄じゃいかん
お母さんが いった
「あんた これ 一生もんだからね」
なにかを買ってくれるたびにいう 口癖
でも
そのとき ばかりは
俺も
合点した…
一生かけて やらせてもらいます☆
そう 人知れず 誓ったのさ
十四才の誓い☆
あれから
十八年たった
えっ
まだ
やってるよ
あいかわらず 馬鹿だねぇ
そんなに時間をついやして
いったい なにが あるっていうんだい?
べつに☆
なんにもねぇよ☆
死ぬまでやるだけ
ただ
それだけ…☆