タイムマシンで198x年に…☆
もしもタイムマシンがあったら…
だれしもがかならず空想する憧れのテーマだよねぇ☆
俺がかんがえる理想のタイムスリップってね
いまのままの記憶と知識をもったまま…ある朝おきてみたら…
小学六年の一学期の終業式の日だった…ってやつね☆
すなわち 明日から夏休みっていう絶妙なタイミングなわけだ
俺は布団をでてからまずテレビをみる
ズームイン朝
まだ徳光さんだ…
おお すばらしい☆
きのうのプロ野球
巨人対大洋
おお ホエールズ☆
あぶない刑事
なるほどザワールド
やばい これがタイムスリップか…☆
興奮がおさまらんよ
だって
これから学校いくんだぜ☆
小学校だぜ☆
しかも友達や大好きなあの娘が あのころのまんま 12歳なんだぜ☆
嗚呼… リアルタイム同窓会☆
しかも俺だけ中身が大人だ
ほんと…
興奮するねえ☆
早く 学校にいこうぜ☆
雲ひとつない晴天の通学路を 俺は なれない12歳のからだで疾走する
ランドセルが懐かしい
校門から爆入し 校庭を突き抜ける
自分の下駄箱がわからない…っていうか忘れた
すると
あのころの憧れのあの娘が
あのころのまんま登校してきた
まともにはなしたことなんてなかったよ 恥ずかしくて
でも
俺もう大人だもんな☆
もう さりげなくはなしちゃうよ
「あっ おはよう あのさぁ俺の下駄箱どこだっけ わすれちゃったんだけど」
あの娘ときたら びっくりしてるよ
まぁしかたないよな
はじめてはなしたんだからな☆
俺はいった
「ああ ごめんね なにしろ20年ぶりなんでね…あの…つまり そんなにおどろかなくていいよ おじさん変なひとじゃないからね
先生にいわないでね」
そう しゃべりはおじさんのままなんである
あの娘は 笑った
ギャグだとおもったみたい☆
「ばかじゃない 下駄箱そこじゃん 」
とあの娘が笑顔でいった…☆
そして大人の俺はははーんと合点した
わりとあの娘…俺のことまんざらでもなかったんだなと…
なんだかちょっと胸がキュンとした
そして あのころの懐かしい野郎どもが つぎからつぎへと登校してきた☆
ビックリマンシールの束をもって…
「おう きのうの聖闘士星矢みた」とか
「ドラクエ3そろそろでるぜ!」とか
俺は懐かしくて涙がでそうになりながら…「バカヤロウ そんなむかしのことわすれちゃったよコノヤロウ!」といってみんなを不思議がらせた
おまえらいいよな
だってまだ子供だもんな
そうだ おまえら
いまのうちにうんと楽しんどけ☆
俺はそうひとりごちた
教室にはいり 席につくと
先生がはいってきた
若いな
俺よりちょっとばかり若い若ぞうじゃねえか☆
でもなんだか 俺より 大人っぽいな☆
「明日から夏休みだけど あんまりはめはずすなよ 小学校最後の夏休み…みんな大人になっても思い出になるような素敵な夏休みにしてください…それでは 起立 礼……」
みんなが下校の準備をはじめた
俺は先生を呼びとめた
「先生!」
「おう なんだ」
「先生……俺 先生と飲みにいきたいです」
「なんだ 十年はやいよ おまえ」
「いや いい店しってるんですよ 焼鳥がうまいんだ ちょっと一杯いきましょうよ」
「はは おまえが大人になったらおまえのおごりでつれてってくれよ」
そりゃそうだな
タイムスリップだもんな
「でも先生さぁ…あんたもいろいろと大変だねぇ…子供の世話は骨がおれるもんな…ほんとエライよ!ほんとがんばってな!」
先生は笑いながら職員室にあるっていった
俺は
放課後の教室で ぼうっとしてみた
教室って意外とせまいんだな
プール はいりてぇな
今なら25メートル泳げるのにな
ああ いいな
小学校って
ずうっと いてぇな ここに
ピーター・パンみてぇにな
小学校ってネバーランドだな
でも
それって あれだな
学校のトイレにでる 幽霊みたいだな
なんかせつねぇぜ
じゃぁ そろそろかえろうか
給食室から あげパンかっぱらってから………☆