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ロシア軍事会社の反乱
国防相と対立激化 勝算ないまま蜂起 ウクライナ軍の反転攻勢が始まり、戦況が最大局面を迎える中、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」が6月23日、南部ロストフ州のロシア軍南部軍管区司令部を制圧し、モスクワへ進撃するという「プリコジンの乱」が発生した。 ベラルーシのルカシェンコ大統領が仲裁に入り、首謀者らを訴追せず、ベラルーシに亡命することで翌日に取引が成立したが、前代未聞の反乱事件はプーチン体制の弱さを示し、政権を揺さぶる可能性が出てきた。
プーチン体制の弱さを露呈
ロシア軍の苦戦が続く中、別動隊のワグネルは勇猛な戦闘で5月に東部のバフトムを制圧するなど、成果をあげてきた。一方で、2万人以上の戦死者を出し、創設者のプリコジン氏は軍武器・弾薬をよこさないからだと非難。ショイグ国防相、ゲラシモフ参謀総長の解任を要求した。 今回の決起は、国防省がワグネルを傘下に置くと通告したことに対し、解体を恐れるワグネルが勝算のないまま武装ほう起したものだ。 ワグネルの反乱部隊が制圧した司令部の前では、歓迎する市民が大歓声で迎えた。舞台はモスクワまでの1000㌔を快進撃し、途中でロシア空軍機の妨害に遭ったが、ワグネルは空軍機1機、ヘリ6機を撃墜し、ロシア兵13人以上を殺害した。 首都の200㌔手前に到着したところで取引が成立し、200キロ手前に到着したところで取引が成立し、撤退したものの、モスクワ市内に進撃していたら、クレムリンの掌握や激しい戦闘が起きていたかもしれない。プーチン体制下では、最大の内乱事件となった。
プリコジン氏亡命 厳罰が一転無罪に 反乱の背景には、プーチン大統領が長年の部下だったプリコジン氏をコントロールせず、活動を容認していたことがある。血気後、大統領は「反逆行為」だ。とし、厳罰に処すと述べたが、プリコジン氏を含め、無罪放免となった。対応を指揮しなかったとの説もあり、大統領の危機管理能力が問われた。 最大の衝撃は、支持母体のはずの右派愛国勢力が牙をむき、政権に楯突いたことだ。右派は国防省や政権への不満を強めており、第2、第3の反乱が起きないとも限らない。 ロシアは9月に統一地方選、来年3月に大統領選が予定され、弱さを露呈したプーチン大統領の続投に黄信号が点灯しつつある。 (ジャーナリスト 城山達也)
【緯度経度 世界は今】公明新聞2023.7.3 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 3, 2023 06:15:06 AM
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