|
カテゴリ:名字の言
神格化が思想精神の形骸化を招く ドイツ文学の最高峰の頂きがゲーテであることは、多くの人が認めるだろう。オーストラリアの作家はローベルト・ムージルは、ゲーテの存在によって、ドイツ小説は、他国と比較すると発展が半世は遅れた、と論じた。どういうことか ▼ゲーテの作品はいずれも傑作で、凌駕することは難しかった。そのため後世の作家は早々に向上心を失い、それなりの小説を書くことで満足してしまった――それがムージルの指摘である ▼「尊敬」と「敬遠」は紙一重。師と仰ぐあまり、肉薄しようとするより、自分は到底及ばないと、敬して遠ざけてしまう。そうした〝神格化〟が、思想精神の形骸化を招いた歴史は多い、インド仏教もそうであった ▼米国のモアハウス大学・キング国際チャペルのカーター所長は、ガンジーとМ・L・キングの非暴力の闘争を継ぐことを、わが使命とした。二人が少しずつ神格化され、人々が〝自分には非暴力は関係ない〟と思うことに懸念を抱いた。その時であったのが、師を継いで「平和の非暴力を貫く池田先生の行動だった ▼敬うからこそ、連なる行動を起こす――その挑戦ありて、偉大な精神はよみがえり、生き生きと脈動する。忘れてはならない学会精神である。
【名字の言】聖教新聞2023.1.18 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 20, 2024 04:05:53 PM
コメント(0) | コメントを書く
[名字の言] カテゴリの最新記事
|
|