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カテゴリ:医学
飲酒に関する話題のニュース
健康のために、飲酒をやめたり、アルコール量を減らしたりと、断酒・減酒の努力をしている人たちは少なくありません。今回は、飲酒に関する話題のニュースを紹介します。一つ目は、禁酒と禁煙を同時に行うメリットに関する、国立病院機構久里浜医療センターの研究。二つ目は、英スコットランドで導入された、酒類の安売り規制の効果についてです。
アルコール依存症離脱へ 禁酒と禁煙 同時が有効 たばこを吸うアルコール依存症の患者は、禁酒と併せて禁煙を目指すと、断酒の成功率や大量飲酒からの離脱の可能性が大幅に高まるとの研究結果を、国立病院機構久里浜医療センターが国際学術誌に発表しました。 喫煙は、アルコールを含む他の薬物依存症の入り口になるといわれてきましたが、そこからの離脱にも強く影響している可能性があります。 研究チームの横山顕臨床研究部長は「『お酒をやめるんだから、たばこぐらい』と考えず、禁煙に同時に取り組むことの重要性が示された」と話しています。 アルコール依存症で同センターを受診する人の喫煙率は男女とも6割超と一般成人を大きく上回り、1日の喫煙本数も多い傾向があります。研究では、2014年にアルコール依存症で同センターに初めて入院し、3カ月の断酒・禁煙プログラムを終えた、喫煙者128人を含む198人が対象。退院後1年間で計9回、調査用紙を郵送し、断酒率や禁煙率を調べました。 その結果、29%の喫煙者が隊員1カ月後の禁煙に成功。1年間の断酒成功率は、禁煙に成功した人で59%、もともと吸わない人で45%となり、喫煙を続けた人の30%より高かったのです。1年間に多量飲酒をしなかった割合も禁煙車61%、非喫煙者60%に対して喫煙を続けた人では、41%と差が出ました。 統計的な分析では、たばこも同時にやめると1年間の断酒成功の可能性が2.44倍に、多量飲酒しない可能性が2.13倍に高まることになります。 横山さんによると「飲めば吸いたくなり、吸えば飲みたくなることが実験で確認されています。 一方で、半年以上の喫煙で、うつや不安、ストレスが著しく改善すると複数の報告があるといいます。
安売り規制で死者減少 英スコットランドで分析 英スコットランドの公衆衛生庁やグラスゴー大学のチームが、2018年5月に種類の明日売りを押さえる規制が導入された後、アルコール摂取が原因で死亡する人が約13%減少したとする研究結果をまとめました。 この規制は酒に含まれるアルコール量に応じて最低販売価格を設定する仕組み、純アルコールで1単位(8㌘)を含む酒なら50㌺(約80円)以上での販売が求められます。 日本のストロング系チューハイのように「安上がりに酔える」酒の消費を抑え、危険な飲酒による健康被害を食い止めるのが狙いです。 チームは、同じ英連合王国でもこうした規制が存在しないイングランドと、スコットランドの医療データを12~20年の期間で比較。すると規制導入後にスコットランドでアルコール摂取に伴う死亡者が13.4%、入院件数が4.1%減ったとの結果が示されました。年間156人の命が失われずに済み、同411件の入院が避けられた計算としています。 アルコール性肝炎などの慢性疾患による死亡や入院の現象が大きな要因。一方で急性アルコール中毒などの急性疾患の入院が増えており、チームは一部の人の飲酒行動が変化した可能性があると見ています。 この規制の導入を巡っては、酒類業界が激しく反発しました。同庁は酒類販売は3年間で3%減少したが、商品の価格が上がったことで売り上げが維持されたケースもあると分析。英国の欧州連合(EU) 離脱や新型コロナウイルス流行といった外的要因を考えると「酒類業界に規制が及ぼした影響はそれほど大きくなかった」と指摘しています。 研究結果は英医学誌ランセットに発表されました。
【健康PLUS+】聖教新聞2023.5.23 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 26, 2024 05:53:31 AM
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