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カテゴリ:医学
危険な未破裂脳動脈瘤 脳の血管(動脈)にできる、こぶのような膨らみを脳動脈瘤といいます。このうち、発見時に出血(破裂)の兆候のないものを未破裂脳動脈瘤と呼びますが、破裂すると、くも膜下出血を引き起こします。昭和大学(東京都品川区)脳神経外科の水谷徹医師に危険性を解説してもらいました。
水谷医師は「脳ドックを受診した成人4000人以上を対象にした調査から、約4.3%に未破裂脳動脈瘤が見つかりました」と話します。 未破裂脳動脈瘤は。脳の中の欠陥が枝分かれする分岐部にできます。「もともと構造的に弱い分岐部に血流が当たり続ける圧力で膨らんでくると考えられます」と水谷医師。
MRIで発見 大半は無症状 脳ドック受診や頭痛、めまいなどで磁気共鳴画像装置(MRI)検査を受けた際に見つかることが多いです。加齢とともに増え、高血圧や喫煙、大量飲酒、遺伝的要因などが破裂の危険因子になります。 大半は無症状ですが、大きくなった動脈瘤が神経を圧迫し、物が二重に見えたり、まぶたが開きづらくなったりするといった症状が現れることも。 もし脳動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血を起こします。「脳の硬膜(脳脊髄を包んでいる固い莫)より内側の部位で、直径3㍉以上あると破裂する可能性があります。未破裂脳動脈瘤が発見された場合、サイズや形状、できた部位、患者の年齢などによって治療するかどうかを検討します。 治療は頭蓋骨を開けて、動脈瘤の根元をクリップではさんで閉塞させる方法と、太もものの付け根の血管から医療用の管(カテーテル)を入れて治療する「脳血管内治療」があります。開頭術は患者の体の負担は大きいですが、再発の可能性はほぼありません。 脳血管内治療は、カテーテルを通して柔らかく細いコイルを脳動脈瘤の中を満たし、血液の流れ込む隙間をなくすことで破裂を防ぎます。間口の広い動脈瘤の場合はステント(金属製の網状の管)を併用する場合があります。しかし、塞いだ部位に再び血液が流れ込み、一定の割合で再発が起こります。
新たな治療法で破裂のリスク減少 そこで近年、新たなステント治療「フローダイバーター」が登場しました。従来のものよりもさらに目の細かいステントを血管内に留置して、動脈瘤内の血液をゆっくりと血栓(血の塊)化させることで動脈瘤が完全に閉塞し、破裂の危険がなくなります。根治を目指す治療ですが、血が止まりにくくなる抗血小板剤を使用すると、治療適応となる部位や大きさが限られています。 年齢が比較的若く、体力のある患者では開頭術を検討することが多いといいます。「脳血管内治療は体の負担は少ないのですが、再発・再治療の可能性もあり、医師は個別の動脈瘤ごとに安全性を優先し、最適な治療法を判断します。患者さんは医師とよく話し合い、納得することが大事です」と水谷医師はアドバイスします。 (メディカルトリビューン=時事)
【健康プラザ】公明新聞2023.6.27 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 19, 2024 05:32:55 AM
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