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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2008年08月30日
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テーマ:海外生活(7774)

”ドイツほど煙突掃除人という職業が特権を得ている国はない。「近代的なガス暖房があるので、煙突を使用せず、煤がでることはない」という家庭でも、煙突掃除人を拒絶することはできない。「煙突掃除法」という法律があるためだ。この法律に従って全国には約8000の「煙突掃除地区」が指定され、煙突掃除人が割り当てられている。自治体から担当地区の割り当てを受けるためには12年ほど待たなければならないが、割り当てをもらえば、競争もなく安定収入を得られる「殿様商売」だ。しかし、EUはこれを市場独占だとして、ドイツに対して改革を求めており、ドイツは2006年12月中に改革案を提出する。”

講談社の発行する「クーリエジャポン」という雑誌に、ドイツの「シュピーゲル」という雑誌からの抜粋が載っていた。2年前の記事なのだけど、いまだに何も改革されていない。

我が家にも、やはり煙突掃除人がこちらが頼んだわけでもないのに勝手に毎年来る。我が家の煙突は、ガスの排気ガスが通っているだけだからそれほど汚れないので、煙突掃除人と言っても、一酸化炭素中毒にならないかどうか煙突の中の数値を検査するのがメイン。去年なんて、5分ほどの検査でお終い。それで、後日、約40ユーロプラス消費税(19%)、つまり50ユーロ弱ほど(約8000円)の請求書が検査結果とともに送られてきた。検査結果といっても、数値が書いてあるだけで、素人にはなんのことだかわからない。これ以上ないというぐらいの「殿様商売」。

今年も、昨日の朝、突然来た。1ヶ月ほど前に、「伺います」というハガキをもらっていたのだが、日時は記載されていなかった。「アポなし訪問」に驚いた顔をしている私に、「来ることを連絡してありますよね。」と平然と言ってのけた。

まず、地下のボイラー室に行き、数値のチェック。

「おととしは、掃除をしてくれたのですが、去年は数値の検査だけで、掃除はしてもらえませんでした。でも、請求書の金額は同じだったんです。」と不満を伝えた。煙突掃除人は、「鏡で煙突の中をチェックし、掃除が必要ならします。でも、ガスボイラーだから、そんなに汚れないんですよ。掃除をしてもしなくても、料金は同じです。」と動じない。”それなら、毎年検査する必要もないじゃないか!”と内心思いつつ、「同じ料金なら、掃除をしてもらったほうがいいですよね。」とさりげなく言ったら、「今、鏡で汚れ具合をチェックしますから。掃除の必要はないかもしれません。」とこれまた、さらりと言い返された。それでも、しつこく、「去年はしなかったので、今年はして欲しいです。」と食い下がると、「そこまで、希望されるならしましょう。」と言って、苦笑いをしながら車に「掃除道具」をとりに戻った。「なんだよ、最初から、掃除するつもりなんかなかったんじゃないか!」とムッとした。全く、いちいち口うるさく言わないとちゃんと仕事をしてくれない。思いっきり「独占企業」体質!

煙突掃除と言っても、屋根に上って煙突の中におりる・・という古典的なやり方ではなく、3階にある煙突部分の窓をあけて、そこから、先にブラシのついた長いワイヤーを釣り糸のようにたれ、リールのように巻きあげるといういったって簡単な掃除方法。

「ガス代も高騰しているし、うちも薪暖炉を設置しようかと考えているのですが、そうしたら、掃除はどうなりますか?」と聞いてみた。「春と秋、年2回掃除に来ます。暖炉を設置する時は、私たちに届け出てくださいね。煙突をチェックしに来ますから。私たちからのお墨付きがないと、事故のあった時、保険がおりませんからね。」と言われた。まったく、どこまでも、煙突掃除人の懐が潤うようになっているのだなー、とため息が出た。

煙突掃除人は、ドイツでは、「幸運をはこんでくるもの」の一つに数えられている。しかし、昨日は、賢浩のせいで、1日私は怒鳴りっぱなしだった。煙突掃除人は、見るだけではなく、ボタンを触らないと幸運は訪れないという説もある。さすがに、そこまでは私にはできないなー。

ちなみに、幸運のシンボルとして年末よく見かける煙突掃除人のマスコットは、シルクハットに黒いスーツでハシゴを担いでいるが、我が家に来る煙突掃除人は、普通の作業服を着たおじさん。外見だけでは、煙突掃除人とはわからない。だから、恩恵にあずかれなかったのかなー?






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最終更新日  2008年08月30日 13時18分48秒
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