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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2008年09月20日
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テーマ:海外生活(7774)

小学校に入学したての頃、賢浩は、よく上級生や他のクラスの子に、「中国人」とからかわれ、非常に悲しい思いをしていた。(日記

学校でも、差別をなくすことに取り組んでいるようで、学校のホームページにもそのような趣旨のことが書かれている。そのホームページに、子供が5人ぐらい肩を組んで並んでいる写真が載っているのだが、その中に賢浩も入っている。学校側が、髪や肌の色がいろいろになるように、子供を選んだのだが、「アジア代表」(?)として、賢浩が入っているわけである。学校からは、賢浩の写真を使ってもいいか?と事前に許可を求められた。自然なひとこまの写真ではなく、学校側が作為的に選んだ子供が肩を組んでいる写真は、なんとなくいやな感じがしたけど、趣旨自体は賛成なので、拒否する理由はない。

昨日、賢浩が、「S(数ヶ月前に転校してきた賢浩のクラスメート)は、僕のこと、「中国人め!」ってよく言うんだよ。だから、僕は、Sのことを、(名前をもじって)スーシ!ワサビー!って言ってやるんだ。」と教えてくれた。「ワサビなんて言っても、意味がわからないんじゃない?」と言ったら、「うん、だから、”ドイツ人は、こんな言葉も知らないのか!馬鹿だなー!”って言ってやるの。」と賢浩も全然負けていない。でも、ドイツ人は馬鹿だなんて絶対に言ってはいけない、と注意した。最近は、「中国人」と呼ばれることを、以前ほど気にしていないようだ。

賢浩は、「Sのパパは、中国人が大嫌いなんだって。でも、中華料理は大好きなんだって。」とも教えてくれた。

「Sのパパは、

”中国人の目が細いのはどうしてだか知っているか?それはトイレでいつもきばっているから、目が細くなってしまったのさ!”

”中国人の肌がどうして黄色いか知っているか?それは、中国は向かい風が強い国で、おしっこをすると風邪で飛ばされて自分にかかってしまうから、肌の色が黄色くなったんだよ。”

って、Sに言ったんだって。」と賢浩から聞いた時、私は、心底ショックを受けた。親がそういう発言を子供の前でするなんて、信じられない。それも、差別的で、とっても下品。子供は、面白がって他の子に言いまわる。親が言っているのだから、それが悪いことだとは思わない。学校が幾ら取り組んでも、こういう親がいる限り、差別的発言は絶対になくならない。

帰宅した夫に、この話をして、「新しく引っ越してきた人だから、どんな人か知らないけど、来週の火曜日に保護者会があるから、顔をあわせるのいやだなー。」と言ったら、「よし、それなら、保護者会には僕が行く。それで、その人に一言いってやるよ。」と言われた。ケンカを売るようなことを言ったら、「だから、オレは中国人が嫌いなんだ!」って余計思われちゃうから、夫を保護者会には行かせたくない。私がこっそり行こうと思っているのだが、それにしても、他の人も、口には出さないまでも、もしかして「この中国人が!この日本人が!」と心の中で思っているのではないかと疑心暗鬼になってしまう。

昨日、公園で、ニコちゃんを遊ばせていた時、ニコちゃんと同年齢ぐらいの双子の女の子もおじいちゃん、おばあちゃんと遊んでいた。おばあちゃんは、双子ちゃんに、お菓子をあげはじめた。それをみて、ニコちゃんも欲しそうに、近くまで行って、じーっと見つめていた。そういう場合、私なら、その子供に、「欲しいの?」って聞いて、お菓子を分け与える。でも、そのおばあさんは、明らかに、ニコちゃんを無視していた。公園には、小1ぐらいの子が4人遊んでいたのだが、その子たちには、おばあさんは、お菓子をあげていた。つまり、公園内でお菓子をもらえなかったのは、ニコちゃんだけだった。ずーっと立ち尽くしているニコちゃんを見て、ちょっとかわいそうになってしまった。こういうことがあると、「もしかして、私たちがアジア人だから?」と被害妄想を抱いてしまう。差別は、される側に回らないと、どれだけ人を傷つけているのか気付かない。






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最終更新日  2008年09月20日 14時53分16秒
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