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テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:ドイツ・ドイツ語・ドイツ人
ここ2-3日のドイツのニュースは、サッカーのエンケ選手の自殺の話題ばかりだった。
ブンデスリーガにはまったく興味のない私でも、このニュースにはびっくりした。エンケは、鬱病であったが、それを世間に知られることを恐れ、セラピーは受けていたが、本格的に治療に取り込むことはしなかったそうである。 記者会見で、エンケの奥さんと主治医が初めて彼が鬱病で悩んでいたことを公表した。電車に飛び込むという自殺の仕方もショッキングだったが、自殺の理由がわかり、さらにみんなの涙を誘った。 彼は、ゴールキーパーで、今までは、カーンとレーマンの2大守護神の影に隠れていたが、来年のワールドカップでは、ナショナルチームの代表として活躍が期待されていた。 鬱病は、数年前から患っていたが、一時はかなり回復したらしい。しかし、3年前に、心臓病で2歳の娘さんを亡くすという不幸にも見舞われ、心に大きな傷を負った。その後、養女をもらったのだが、自分が鬱病であるということがわかると、サッカー選手生命を絶たれ、養女も失ってしまうかもしれないと恐れていたらしい。彼のチームメイトは誰も彼が鬱病だと気づかなかったようだ。 新聞に、鬱病はドイツの国民病であり、エンケの自殺は他人事ではない、と書いてあった。ドイツでは、男性の10人に一人、女性の5人に一人は鬱をわずらっているそうだ。しかし、数年前まで、鬱の話題はタブーだったそうだ。 彼は代表にまで選ばれ、多くのサッカー少年の憧れを体現できた数少ない幸運な人のように思えるが、実はものすごく苦しんでいたというそのイメージのギャップが大きくて、周りはびっくりしている。今日の新聞には、テニスのアガシもかつて極度の鬱に悩まされ、薬で治療していた時期があったと書いてあった。 エンケの冥福を祈りたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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