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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2010年01月18日
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カテゴリ:老人介護士への道
今日、老人介護士の職業訓練校の面接があった。
11時半からの面接なので、ニコちゃんを幼稚園に迎えにいけない。
今日は、何が何でも12時近くまで幼稚園にいてもらわなくては困るので、いつもより遅め(10時ごろ)に連れて行った。
案の定、泣き叫んだけど、先生にも事情を話してあったので、先生に預け、さっさと家に帰ってきた。

ドイツ語で話す、ということで頭がいっぱいで、想定問答集をつくり、どのような質問が飛んできても、一応受け答えができるようにすることばかり考えていた。質問には簡潔に答えるのが良い、と書いてあったので、ひとつの質問につき、2-3行ほどの模範解答を考えておいた。

当日になり、何を着ていくか、はたと困ってしまった。さすがにジーンズで行くのはまずいのでは?と思い、スーツを着てみた。しかし、雪が舞う中、スカートで行くのもどうかと思うし、スーツはさすがに浮いているような気がした。そこで、紺のパンツにキャメルのスエードのジャケットの組み合わせにした。シャツでは硬すぎるので、紺のセーターをあわせることにした。
靴も念入りに磨いた。

職業訓練は10月から始まる。だから、この時期応募しているのは、わたしぐらいかな、と思っていた。面接も、当然1対1を想定し、最初の挨拶とか、本題に入る前のスモールトークなども考えた。

しかし、5分前に学校に着くと、すでに4人が秘書室の前にあるラウンジで待っていた。
学生風の若い子が2人とおばさんが2人だった。彼らの格好が、とても砕けていて、普段着そのもの。二つの丸テーブルに、それぞれおばさんと若い子、という組み合わせで座っていたので、ここの学生と先生が面談しているのかと最初思った。
しかし、みんな黙ったまま座っていたので、えっ、もしかして?と半信半疑だった。
11時半になってもみんなそのまま椅子に座っているので、隣の人に、「面接にいらしたのですか?11時半からですか?」と聞いたら、そうだと言われた。

予定を5分過ぎ、秘書室のドアが開き、校長先生が出てきた。そして名前を呼ばれた。おばさんのうちの一人は、娘の引率できていたので、受験者は私を含め4人だった。

通されたところは、秘書室の奥にある校長室。そこの小さい円卓テーブルを5人で囲む形で座った。

まず、名前を確認され、校長先生が、「どうして応募したのか?何故老人介護をしたいのかを一人づつ話してください。」と言った。
「誰からでもいいですよ。」と言ったら、
「じゃあ、私から。」とおばさん(と言っても、たぶん、私より若い)が話し始めた。
おばさんは、「看護士になりたかったが、Hauptschuleしかでていない(中卒)ので、職業訓練を受けることができなかった、医療現場で働いていた、子供が大きくなったので、介護ヘルパーの職業訓練を受けた、もっと勉強したくて応募した。」というようなことを言った。
次の子は、「Realschule(高校)を卒業後、やはり看護の仕事をしていたが、自分のおばあさんを介護し、自分も介護士になりたいと思うようになった。現在、老人ホームでアルバイトをしている。」というようなことを言った。

この時点で、私はノックアウトされていた。みんな良くしゃべるし、介護や看護の経験が豊富。経験に裏づけされた言葉なので、説得力もある。

私の番になった。質問は予想していたが、簡潔な答えしか用意していなかったので、これではまずい、と即興でいろいろつけたしていったら、案の定、文法が滅茶苦茶。校長先生の顔がちょっと引きつっていたような・・・・。
とりあえず、「人のためになる仕事がしたい。」というようなことを言ったのだが、「何故、老人介護士なのか?看護士という道もある。」と突っ込まれ、「私はこの学校の近くに住んでますし、この町で就職したいので・・」と正直に答えてしまった。あーあ、もっとましな答え方があったのではないだろうか、と落ち込んだ。

最後の子も、実際に老人ホームで働いたことがあると言った。
Realschule卒業後、社会活動年(Freiwilliges Soziales Jahr)という制度を利用して、1年間ホームで研修していたようだ。その後、資格を取るため、職業訓練を申し込んだが、受け入れられなかったそうだ。

その後、校長先生が、介護士という職業につくための心構えのようなものを話し、学校の運営方針についても説明した。とにかく、しゃべりが速くてノンストップ。半分ぐらいしかわからなかった。ほとんど想像力を働かせて聞いていた。

学校の授業は3年間で2100時間必要で、ドイツ語や宗教(カトリック)の授業もある。最初の半年は「試用期間」で、成績の平均が4より悪い生徒は退学になると言われた。厳しい・・・・。
1年に1回、与えられたテーマで論文を書かされるそうだ。

とにかく、ほかの3人はこの分野の経験があり、堂々としていた。もし、この4人の中で誰かが振り落とされるとしたら、間違いなく私。

今回の面接は、学校の入学面接なので、もちろん就職面接とは違うだろう。それにしても、あまりにもラフでびっくりした。

就職活動セミナーに参加したとき、「第一印象で半分は決まるので、それなりの格好をしていって下さい。」「必要書類は、何度も確認し、不備がないようにするのは常識です。」「面接時に、椅子に座っても足を組むのは論外。」といわれた。

しかし、今日は、全員(先生も含め)足を組んでいた。ジーンズをはいてきている人もいたし、おばさんの格好も普段着そのまま。また、応募書類のうち、成績証明書、出生証明書は、公証印が押してあるコピー(begllaubigt)に限るときちんと募集要項に明記してあるのに、ジーンズちゃんとおばさんはそうしていなかった。

今日の面接案内の手紙には、「必要書類のうち、・・・・が欠けているので、当日持参してください。」と書いてあった。私の場合、募集要項に「結婚証明書か出生証明書」とあったので、結婚証明書だけbeglaubigtのコピーで提出していたのだが、出生証明書も持参してくださいと書いてあったので、役所でbeglaubigtの印を押してもらったコピーを今日提出した。

おばさんとジーンズちゃんは、何枚も書類を持参していた。不備だらけではないか!募集要項をまったく読まないで応募したのだろうか?? しかも、2人とも、オリジナルを持参していた。そして、コピーをここでとって返してください、と言っていた。学校側は、快諾していたが、私なら、それは非常識だと思う。beglaubigtにするには、少額ではあるがお金がかかるし、いちいち役所にいかなくてはならない。しかし、そういう小さいことを怠るのは、だらしない、と思った。

ま、でも、ドイツ語ができない、ってことに比べたら、なんでもないことなんだろうなー。私の場合は、そういう小さいところで減点されないように頑張っていたのに、なんだかむなしい。

終わったら、12時30分だった。

結局、今日聞かれたのは、この最初の質問だけ。
私の発言機会もその1回だけ。

脱力・・・。







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最終更新日  2010年01月19日 00時15分20秒
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