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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2010年01月30日
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カテゴリ:ヴァイオリン
今朝起きたら、雪が20cmほど積もっていた。
昨夜家の前の雪をきれいにどけたのに・・・・。
朝6時から雪かき。外から恵子の部屋の電気がついているのが見えた。
雪かきを終えて、クタクタになってダイニングに行くと、恵子が朝食を食べていた。

「さっきまで、部屋で何していたの?まさか、本を読んでいたんじゃないでしょうね?」と聞いた。恵子は無言。ということは、図星だったということ。
瞬間湯沸かし器の私は、「そういう態度は信じられない。ママが一生懸命雪かきをしている姿が部屋から見えたはずだ。それなのに、手伝おうか?の一言もかけず、自分は部屋で本を読んでいるなんて自分勝手すぎる。」と朝から怒鳴り散らしてしまった。

今日は、恵子のバイオリンのコンクールの日。それなのに、朝からこんな険悪な雰囲気にしてしまって、今思えば、私も大人気なかったと反省しているのだが、その時は許せないことのように思えてしまった。まあ、それほど、すごい雪の量だったわけである。

ニコちゃんを連れて行くわけにはいかないので、男の子チームはお留守番。私だけが、付き添い兼運転手として恵子についていった。

1番手の子の演奏は、8時半からだった。恵子は、9時15分からで、4番手。たぶん、年齢の若い順なのだろう。本番前に30分、個室が割り当てられ。練習できる。ところが、恵子の練習できる時間になっても、伴奏をしてくださるピアノの先生が来ない。そこで、バイオリンの先生と恵子だけが先にいって練習を開始することにし、私は玄関でピアノの先生の到着を持った。ピアノの先生が現れたのは9時5分前。
9時10分ごろには次に練習する子とその親族(大グループだった)が来たので、部屋を明け渡し、本番の会場へ。しかし、大雪のため、審査員4人のうち一人が遅れてしまい、進行が遅れていた。私たちが会場に着いたときは、3番目の子が始めたばかりだった。そこで、会場の外で待つことになった。

恵子の順になった。私は、この日のため、ビデオを充電し、新しいテープも買ったのに、撮影を始めたら、「演奏中は、撮影は禁止だということを知ってますよね。」と審査員にとがめられてしまった。残念・・・・。

恵子たちのグループでは、3曲演奏することが義務付けられている。
恵子の1曲目は、ハイドン「Violinkonzert G-dur Allegro moderate」

ピアノの伴奏が始まったのだが、恵子は準備できていなかったのか、入れなかった。それで、もう一度最初からやり直し。この時点で、すでに、「あー、こりゃ、だめだー。」という 雰囲気になってしまった。私までドキドキして、まともに恵子を見ることができなかった。気を落とさずに、最後まで弾けますように・・と祈るような気持ちだった。

2曲目は、パガニーニ「Cantabile No.8」

まあまあの出来だったが、最後、弦を指ではじくの失敗してしまった。

3曲目は、ゲンツマー「Sonatine Allegro」

私は、これが一番上手に弾けたような気がしたが、恵子いわく、「ピアノが片手での伴奏になった箇所があったから、やっぱり間違えたんだとわかった。」と言った。

演奏のあと、先生は、「良く頑張ったね。」と言ってくれたが、なんだかお通夜のような雰囲気になってしまった。恵子は、「もう私が最下位決定だよ。」とかなり落ち込んでいた。

先生の教え子がもう一人出場するのだが、彼の演奏時間は11時55分。まだまだ時間があるので、先生が恵子に、「お茶でもしましょうか?私がおごってあげるわよ。」と言ってくれた。私はちょっと用事があったので、「私にご馳走させてください。」といって、恵子にお金を渡したが、やっぱり先生はおごってくれたそうだ。

その後、11時にまた会場にもどり、他の子の演奏を恵子と一緒に聞いた。先生は、「今年は信じがたいほどレベルが高い。」と言っていたが、ほんとにみんな上手だった。たかだか田舎の大会と思っていたのだが、とんでもない。こんな田舎の地区予選でもこのレベルなのだから、州大会や全国大会というのは本当にハイレベルなのだろう。

結果発表は、12時40分の予定だったのに1時間も遅れた。
年齢の若い子のグループでは、演奏順に得点が読み上げられるのだが、恵子たちのグループでは、得点の低い子から名前が読み上げられた。
25点満点で、最下位の子は14点だった。
私達はこの子の演奏も聴いたが、確かに際立って下手くそだった。途中で弾いている場所がわからなくなったり、つっかえたり、音をはずしたり・・・。恵子たちのグループは、12歳13歳の子たちなので、少なくとも、5-6年はバイオリンを習っているレベルだと思うが、この子だけは、もしかして、まだ2-3年?というレベルであった。恵子なんて、「これで、私が最下位ではなくなった。」などとちょっとホッとしていたようだった。

その次に名前が呼ばれたのは3人で、19点。ポイント制で、18-20点は2位。恵子は、20ポイントでやはり2位だった。

残りの8人は、21ポイント以上で1位だった。
そのうち、23ポイント以上で州大会に進めた子は3人いた。
一番最後に名前が呼ばれた子は24ポイントだった。彼女の演奏を聞いたが、本当に上手だった。満点でもおかしくないと思ったが、どこで1ポイント減点されたのか私にはわからなかった。

先生のもう一人の教え子は19ポイントで、彼も2位だった。2人とも、下位の成績で先生もがっかりだったかもしれないが、それ以上に、恵子やその男の子ががっかりしていたので、先生は、一生懸命2人を盛り上げようとしてくれていた。

先生は、恵子の選曲は難しかったので、もう少し時間が欲しかった。あと2週あれば、もっと完成度が高いものになっていただろう、と論評した。

同じような年齢の子供達だから、同じような曲が多かった。恵子の弾いたハイドンのG-dur Konzertなんて4人の子が選曲していた。でも、みんなアレンジが違っていた。恵子は、「カデンツ」といって、ソロパートを弾いたが、その部分をピアノの伴奏に変えている子もいた。「カデンツ」もいろいろなものがあり、恵子の弾いたのは、技術的に他の子のものより難しいと思った。

ドボルザークのOP100を選曲している子も多かった。

ちなみに、一番うまかった子の選曲は、
バッハ「Violinkonzert a-moll BWV1041 Allegro」
ドボルザーク「OP75 Allegro moderato」
ハイドン「Violinkonzert No.1 C-dur Adagio」
だった。

恵子は、スポーツ以外で、今日ほど敗北感を味わったことはないのではないだろうか。今までは井の中の蛙で、本当の自分の実力は、中の下だということがわかっただけでも大きな収穫ではないかと思う。これを機に、大いに発奮して欲しい。





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最終更新日  2010年01月31日 02時30分33秒
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