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テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:老人介護士への道
1週間の老人ホーム実習が終わった。少なくとも、もう1週間する必要があるのだが、まだ日時は決まっていない。
今回は、比較的時間に余裕のある「遅番」だった。特に、土曜、日曜は平日に比べ、平穏であった。 3時からのコーヒータイムで、昨日は、「シュバルツバルト・トルテ」(サクランボのリキュール漬けのはいったチョコレートスポンジに生クリームたっぷりのケーキ)が出された。ご老人一人一人のお皿に取り分けてあげている時、誤ってUさんのズボンの上にケーキを落としてしまった。生クリームとチョコレートがべっちょり・・・。急いで拭いたが落ちなかった。ちょうど、Uさんの息子さんが訪問中で、息子さんの目の前での失態。Uさんは、更にもうひとつケーキを食べたいとおっしゃった。お皿に取り分ける時、息子さんが、「今度は気をつけてくださいね。」と私に言った。冷や汗・・・・。 息子さんは、その後すぐに帰られたのだが、Uさんは、ズボンの汚れを気にして、「クリーニング屋はこの近くにあるか?」と聞いてきた。 「ありますが、今日は日曜日なので、閉まってます。他のズボンをお持ちでしたら、それに履き替えてください。私が洗ってみます。」と申し出た。 Uさんは、まだ入居して1週間ぐらいだそうだ。Uさんは、自分の洋服がどこにあるかわからないと言ったので、一緒に部屋に行き、着替えを手伝った。 その後、私は、他の人の食事介助があったので、すぐにはズボンを洗うことができなかったのだが、Uさんはしつこいほど何度も私のところに来て、「もう、クリーニングに出してくれたか?」「もう、ズボンはきれいになったか?」「ベンジンで拭いてくれたのか?」「アイロンをかけてくれたか?」「いつになったらそのズボンにまた履き替えることはできるか?」と何度も聞かれた。Uさんはもともと神経質な方で、注文が多い人。先輩介護士は、「今そんな時間はない。」と一蹴していたけど、私が撒いた種なので、私は彼女を無碍にすることはできず、精神的につらかった。 先輩介護士に、「よくある失敗よ。」といわれたけど、こんな失敗は二度とするまい、と心に誓った。 Tさんは、私のことを、「フロイライン(お嬢さん)」と呼んで、かわいがってくださる。昨日、トイレ介助をしている時、「私には子供が3人いるんですよ。」とTさんに話した。 するとTさんは、「そんな若いのに、もう子供が3人もいるの?」と驚かれた。 「私はそんなに若くないですよ。もう40歳過ぎてます。」 「それでも、私からみれば若いわ。私はいくつかわかる?」 「そうですね、72歳ぐらいでしょうか?」 「はははは・・・。来月で100歳よ。」 ナースステーションに戻り、他の介護士たちに、「Tさんは、来月で100歳になるそうですね。とてもそうは見えず、すごく驚きました。」といったら、 「そんなはずはない。」と言われた。 そしてTさんのカルテをチェックして、「Tさんは、今年、90歳よ。それに、誕生日は12月。」と言った。 Tさんは、ちょっと足腰が弱くなっているけれども、それ以外は、きちんとされている方だ。それでも、こういう思い違いをしてしまうことがあるのだなー。 4時から4時45分ぐらいまでいつも休憩時間。話してみると、お子さんがもう成人されていたりする人が多い。私が、一番下の子が3歳だというと、「それで、職業訓練を受けるつもり?大丈夫?できるの?」と本気で心配される。 今までは、老人介護士の職業訓練学校には、30歳過ぎの生徒が多かったそうなのだが、最近、17歳、18歳の子が多くなったきたそうだ。そういう子は、学校の成績が悪くて、他の職業訓練を受けることができなかったか、社会福祉関係は、ほかの職業に比べ実習中にもらえるお給料が多いからだろう、とみなさん分析していた。 介護士Aさんのお嬢さんは、看護士になったそうだが、職業訓練校で28人いたクラスメートのうち、10人も国家試験に落ちたそうだ。看護士の国家試験は、2度落ちると、もう受験資格がなくなるそうだ。 老人介護士も国家資格。合格確率がどれぐらいなのか知らないのだが、私にも受かるチャンスはあるのだろうか・・・・・。 とにかく、1週間実習をさせてもらって感じたのは、私のドイツ語能力の低さ。これは致命的。お年寄りになんと話しかけていいのか、考え込んでしまう。一生懸命お世話をすれば気持ちが通じ合うように感じたが、やはりそれだけではダメだろう。普段、家でドイツ語を使わないのは問題よ、といろいろな人に言われた。 あるお年寄りに、「私だってルーマニア語はできないわよ。」となぐさめられた。私がルーマニアから来たと思っていたのだろうか??? 「どうして、子供とドイツ語を話さないの?」と言われるのだけど、子供の日本語能力維持の必要もあるし、日本語で話すから親の面目が保てているような気がする。だから、私と子供が日本語で話すという関係は崩したくない。 たぶん、介護士の仕事は私に意外に向いているような気がする。いい介護士になれるような気がする。勉強したいという気持ちも強い。仕事の内容自体にも不満はない。老人ホームに研修生として受け入れてもらえるかどうかまだまだわからないのだけど、私のドイツ語力を不安に思われないよう、まずはそこから勉強しなおしかな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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