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テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:ドイツ・ドイツ語・ドイツ人
子供も私も、知り合いや先生から、「日本にいる家族、親戚は無事か?」とよく聞かれる。
今日も、ドイツ語コースで日本の地震の話題になった。 今日の先生は、教壇の上で、ロウソクを灯し、「私達にできることは残念ながら何もないけど、せめて被害者を思って祈りましょう。」と言ってくれた。 先生は、私に、「家族はもう国外避難したか?」と聞いたのでびっくりした。実は、夫にも、地震のニュース直後に「なぜ、ドイツに家族を呼び寄せないのか?」と詰問された。 先生に、「日本人は、国外に避難するということは考えないのか?それはなぜか?」と聞かれた。「私だったら、家族を説得して、ドイツに呼び寄せる。日本にいたら、絶対に放射能を浴びる危険がある。中国だって、韓国だって、喜んで日本人を受け入れるはずだ。それで、安全が確認されたら、戻ればいいのだ。なぜ、政府は周辺30kmだけを避難対象としているのか理解できない。国民を国外退避させるべきだ。」と熱く語った。 そもそも、日本人には、「国外退避」って発想がないのでは? 被害地域の人は、自分の隣人や友人の安否を確認したいし、被害にあっていない人は、被害地域のために何かしたいと思っているはず。自分だけ、安全地域に逃げて高みの見物をしようとは思わないのでは?? そういう考え方が先生には理解できなかったようだ。他のドイツ人もそういう発想なのだろうか? 先生は、福島の原発のことに異常に詳しくて、1号機、2号機、3号機、4号機の絵を黒板に書いて、それぞれがどのような状態であるか説明し始めた。 その関連で、わがクラスのウクライナ出身者に、チェルノブイリの話を振った。一人は、その時小1で、あまり記憶がないと言った。もう一人は、チェルノブイリから500-600km離れた黒海沿いの大都市オデッサの出身だったが、オデッサまで死の灰が来たといった。彼女のお父さんは、爆発の2年後にチェルノブイリの現場で後片付けなどに携わったそうだが、その8年後になくなったそうだ。医者は、放射能とは関係ないといったそうだが、彼女のお父さんは、チェルノブイリでの作業に関わったあと、ずーっと体中の痛みを訴えていたそうだ。だから、彼女は放射能に被爆して死んだと思っている。話している間に、父親のことを思い出したのか、彼女は泣き出してしまった。 その話を聞いて、とても恐ろしくなった。 当時、旧ソ連で軍隊に入っていた人もクラスにいた。彼は、直接チェルノブイリには派遣されなかったが、毎日放射能汚染された車が運ばれてきて、それを特殊化学液で洗浄し、その後、車を地下30mに埋めるという作業に従事していたそうだ。毎日、50-60台洗浄しては埋める作業を繰り返したと語った。 そんなことが日本でも起こるのだろうか???? チェルノブイリのようにはならないと言う言葉を信じたい。 ところでなぜ先生が異常なまでに詳しいかと言うと、ドイツでも原発の安全性への関心が高く、爆発の様子が繰り返し報道されているからだ。 福島原発の事故を引き合いに出し、どんなに安全に建設しても、100パーセントの安全なんてありえない、とここぞとばかりに原発推進反対派が気炎をあげている。私が住むBW州は、メルケル首相が率いるCDUの牙城。今月の27日に州議会の選挙がある。CDUは原発推進派で、州内にある古い原発をいまだに稼動させている。それが今、野党につけ込まれている。日本の地震が、思わぬところでドイツの政治にも影響しているようだ。 ドイツの新聞を読むと、SUPER「GAU」という大見出しが目に付く。ニュースを聞いていても、この単語をよく耳にする。どういう意味なのかと思ったら、「groesster anzunehmender Unfall」の略で、「原子力発電所などでの想定可能な最大規模の事故」をさす単語だそうだ。そんな単語が存在することにびっくりした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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