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カテゴリ:職業再訓練
学校へは、同じ町に住んでいるAさんと一緒に通っている。Aさんはよくしゃべる。私はいろいろな情報を彼女からもらっている。運転中に、よくAさんの携帯がなる。運転しながら話すのは本当は交通違反。かつて、私の夫は、運転中に携帯で話していたところを現行犯でつかまり、60ユーロの罰金をとられたことがある。携帯を持ちながら片手で運転されるのも怖いが、彼女は話しているときも、手振りをつけるために、両手をハンドルから離したりする。私はいつもドキドキしてしまう。彼女は運転がうまいから、よく前にのろい車が走っていたりすると、悪態をついている。ロータリーでなかなか中に入らない車に対し、「こんなに間隔があいていたらはいれるでしょ。」とか、右折左折でモタモタしている車に対し、「曲がるの、曲がらないの、どっちなの?はっきりしてよ。」とよく文句を言っている。一緒に行くときは、私がガソリン代を払って彼女が運転してくれる。交代で運転しましょうか?と申し出たのだが、彼女はガソリン代を払ってもらうほうがいいそうだ。私もそのほうが精神衛生上いい。私の助手席に座ったら、彼女もフラストレーションがたまると思う。「いちいちハンドブレーキを使わないと坂道発進できないの?」「なんでこんなにゆっくり走っているの?」「今の信号だったら、そのままいけたよね?」ときっと心の中で悪態をつくことになっていただろう。
私たちの町に最近、Flüchtlingsheimができた。この情報もAさんから教えてもらった。Flüchtlingというのは、亡命者とか難民という意味。シリアやナイジェリアから来た人らしい。私たちの町にはほとんど黒人がいない。最近、いろいろなところで、黒人の集団を見かけるなーと思っていたが、どうやら亡命(?)してきた人たちのようだ。彼らは、いつもスマホをいじっている。それはよくある光景だが、難民が、流行の服を着て、最新のスマホをもっている、ということに反感を持つ人も多い。学校では、「Flüchtlingsheimに住む人たちは、いろいろなものがなくて困っているので、寄付をお願いします。」という手紙が配られた。「私たちが寄付したお金や税金で彼らは必要以上に高価なものを買っているのはどうかと思う。」とAさんは怒っていた。 Aさんが、「こんなジョーク知ってる?」と私に聞いた。「第3国から移民してきた人が、《ドイツ人はなんと寛大なんだろう。衣食住、必要なものは何でも提供してくれる。本当にすばらしい国だ。ドイツ人にお礼を言わなくては・・・》と思い、天気のいい昼下がり、広場に出向いた。広場にいた人に、《いろいろなものを恵んでいただきありがとうございます。ドイツ人のおかげで快適な暮らしが出来ています。》とお礼を言うと、言われた相手は《いや、私はドイツ人ではありません。私はXX出身です。》 そこで、広場にいる別の人に、《いろいろなものを恵んでいただきありがとうございます。ドイツ人のおかげで快適な暮らしが出来ています。》とお礼を言うと、彼も、ドイツ人ではなかった。広場で会う人会う人にお礼を言ったが、みんな外国人だった。《いったい、どこにドイツ人はいるのですか?》ときいたところ、《ドイツ人は、今頃働いているよ。》・・・・・」 Aさんは、レイシストではない(と思う)。自分も実際にドイツに移民してきて、差別とか、苦労をしてきた人。でも、彼女の家族や周りの人は昼も夜も働きずめで頑張ってきたから、何の努力もしないで、好きなことをしている人が許せないのだと思う。悲しいジョークだなーと思った。 Aさんは、昨日地元のスーパーに買い物に行ったら、先週別の町の店で買ったばかりのコーヒーメーカーが20ユーロ安く売られていたのをみつけて頭にきたそうだ。それで、コーヒーメーカーを買った店に電話して、「先週お宅で買ったコーヒーメーカーが地元のスーパーで20ユーロも安く売られていた。」と文句をいったらしい。そしたら、店側は、「それは申し訳ありませんでした。それでは、20ユーロ分、商品券として差し上げます。」と言ってくれたそうだ。私だったら、「悔しい!」と自分の運の悪さを嘆くだけだと思うが、店に電話をしてしまう彼女は、すごいなーと思った。それで、店も簡単に値引きしてくれるのにも驚いた。ドイツのお店って意外と良心的なのね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年12月06日 06時34分59秒
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