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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2014年12月17日
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カテゴリ:職業再訓練
今朝、学校に行く途中の車内で、クラスメートのAさんが、「月曜日に税理士事務所で面接があったのだけど、いろいろといわれて落ち込んでいる」と言った。私たちの職業訓練では、税理士事務所での研修が義務付けられている。フルタイムで研修を受けている人は来年の7月から1年間、私のように半日の人は再来年の1月から1年半の予定。フルタイムの人は年が明けてから応募し始め、私たちは夏前ごろから就職活動をするときいていた。しかし、Aさんの知り合いのお父さんが税理士だそうで、知り合いから、「父の事務所では再来年の研修の選考がもう始まっているから、すぐに履歴書を提出したほうがいいよ。」とアドバイスされたそうで、1ヶ月前に書類を送ったのだそうだ。

面接で税理士は、「XXX訓練校の評判はあまりよくないですよね。あなたのクラスの何人がまともにドイツ語を話せるんですか?」といきなり剛速球を投げてきたそうだ。(それは訓練校のせいではなく労働局のせいだと思うのだが・・・)
その話を聞いて、私は「えー、私以外はみんなドイツ語に問題ないよね?」と言ったら、Aさんは「会話能力だけをさしているわけではないよ。私でさえ、ドイツ語にだめだしされたからね。顧客に信頼され、どんな質問にも答えられるような人材が求められているんだよ。」と言った。「わざとなのか、もともとそうなのか、とにかくしゃべるスピードが速くて、びっくりしたよ。私を面接した税理士は、“コピーとかお茶くみとか研修生を無料奉仕のお手伝いのように扱う事務所もあるが、私は、雇うからには、きちんと仕事を教えてあげたいと思っている。つまり、研修生を雇うのは、こちらとしては、仕事量が増えることを意味するのですよ。”ってはっきり言ったんだよ。本当に落ち込んだよ。」と教えてくれた。Aさんは、カザフスタン生まれとはいえ、もともとずっとドイツ語環境で育った人だし、ドイツで学校も卒業している。自分から言わなければ、彼女が移民だなんてわからない。中身も外見もドイツ人そのもの。それでもそんな厳しいことを言われるなんて・・・。しかも、私たちの町にある税理士事務所。なんだか、本当に先が思いやられる。

Aさんは授業中よく発言するし、質問もするし、毎日必ず勉強しているそうだし、すごく熱心。きっと私のことは、「こんなにドイツ語ができなくて、どうするのかしら、この人?」と思っていると思う。
先日、Aさんに、「東京って日本?中国?」と聞かれて、驚いた。「中国と日本って違う国なの?その辺の国の位置関係がわからない。」「スマホを持っていないなら、日本から送ってもらったら?日本とか中国って何でも安いんでしょ?」というようなことも言われことがある。
今朝、カーラジオで、レゴランドの話が流れた。Aさんは私に「レゴランドって行ったことある?」と質問した。「デンマークのはあるけど、ドイツのはない」と答えたら、「えっ?なんでデンマーク?デンマークってハイデルベルグから近いの??」と聞かれて、びっくりした。私とAさんは、持っている知識の範囲がぜんぜん重ならないのだな、と思うことがよくある。でも、この職業研修に必要なのはAさんの持っている知識であり、私が持っている知識はほとんど役に立たない。時たま、とてもむなしくなる。

今日は授業でリースについて学んだ。
先生が、「BW州の警察車両は全部リースです。」と言った。「以前は、白い車に緑のフィルムを貼って警察車両に仕立ててましたが、白い車は買い手、借り手が少なく、リース終了後、リース会社が使途に困るので、現在の警察の車は、シルバーに青いフィルムを貼ったものになっています。」と教えてくれた。ちょっとした豆知識。

明日は、一番苦手な所得税法の授業。とにかく先生のしゃべるスピードが速い。先週は、「Grundsätze zur Gewinnermittlung nach §4 Abs.3 EStG 」というタイトルで、20項目にわたる原則を口頭筆記させられた。一項目ずつが長い。「もっとゆっくり言ってください」「もう一度言ってください」といえる状況にはなかった。半分しか書き取れなくて、結局、授業の後、クラスメートのノートをコピーさせてもらった。先生は、「大切なことなので、コピーを配るよりも、自分の手で書き写したほうが覚えますから・・」と言った。たぶん、ほかの人にはそうなのだろうけど、私には拷問に近かった。先生も私ができないことを承知しているのか、私を指すことはないし、問題を解いているときも、私のノートだけは覗き込もうとしない。それはそれで、見捨てられている感じがして、悲しい。来月、テストがあるといわれた。木曜日は私にとって、苦痛でしかない。





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最終更新日  2014年12月18日 03時53分07秒
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