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カテゴリ:職業再訓練
ドイツでは18歳未満を未成年という。未成年は、学校に通っていようが、働いていようが、遊んで暮らしていようが、税法上は子供で、保護者には児童手当が支払われる。
18歳から24歳までは、学生だったり、職業訓練をしていたり、社会的活動(ボランティア)をしている限りにおいては「子供」とみなされ、児童手当の対象になる。 昨日の所得税法の授業では、児童手当、児童控除、職業訓練控除、学費控除などについてのいろいろなケースについて学んだ。 ケース1:トーマス(20歳)は、2013年6月にAbiturに受かり、2013年7月1日から、希望して、軍隊に1年在籍した。その後2014年7月から、税理士の職業訓練を受けるようになった。この場合、トーマスは税法上子供といえる期間はいつか? 解答:2013年6月までは、ギムナジウムに在籍しているので、「子供」。しかし、軍隊在籍中は子供ではない。除隊後、職業訓練を受け始めたので、2014年7月から再び「子供」とみなされる。 教科書には、「軍隊に在籍していた間は、子供とみなされないが、在籍期間の分、「子供」でいる期間を延ばせる」と書いてあった。つまり、この場合、職業訓練を受けている限りは、25歳になっても「子供」でいられるということらしい。 しかし、クラスメートの一人が、自分の研修先の税理士にこの件を今朝電話で聞いてみた。その税理士は、「わからないから、調べて折り返し電話する、」と言ってくれたそうだ。あとでかかってきた電話によると、昔は徴兵制があり、軍隊に入るのが義務だったので、「子供」である期間をその分延長していたが、現在は、軍隊に入るのは、自由意志によるものなので、子供である期間は延長されない、とのことだった。 ケース2:ディムカス氏はギリシャ国籍で、フランクフルトで働いている。長女19歳は、フランクフルトで職業訓練を受けている。次女17歳と三女12歳は母親と一緒にギリシャに住んでいる。この場合、ディムカス氏はいくら児童控除を受けられるか? 解答:3人分満額。(児童控除 13104ユーロ + 保育控除 7920ユーロ) フランクフルトにいる長女は理解できるが、子供が母親とギリシャに住んでいても児童手当が支払われる、という事実に、クラス全体がどよめいた。 すると、ポーランド出身の女性が、「たくさんのポーランド人がドイツで働いているけど、妻や子供はポーランドにいて、一度もドイツにきたことがなくても、児童手当をもらっている人をたくさん知っているわよ。」と言った。ドイツの児童手当は手厚い。一人月に2万円以上支給される。子供が4人いれば、一ヶ月10万円以上支給される。国によっては、家族丸々これだけで十分生活していけるのではないだろうか? 日本人の感覚では、ドイツの児童手当は手厚いと思うが、クラスメートも先生も、「ドイツは本当に子持ちの家庭にやさしくない法律を作っている」としょちゅういう。いったいどの国と比較してそんなこと言うのかな?といつも不思議に思う。 ドイツでは、児童手当か児童控除+保育控除のどちらか納税者に有利なほうが使われる。この計算は、税務署で自動的に計算されるので、実際の生活では、まったく計算する必要がないのだが、試験では、どちらを使うか、いちいち計算しないといけない。すでに、税理士事務所でアルバイトしているクラスメートは、「控除額が何パーセントとか、上限がいくらとか、そんなことはコンピューターが全部するから、実際はいちいち計算なんてしないのよ。ここで学んでいることは、試験のためだけで、実践では何の役にもたたないよ。」と言っていた。 ケース3:ユリア19歳はフライブルグの全寮制の学校に通っていた。ユリアは夏休みの1ヶ月間実家に帰省していた。この月は、通常の学費1000ユーロから寮費(食費を含む)として400ユーロ引かれた額を支払った。両親はユリアの児童手当を受け取っている。この場合、ユリアにかかる費用としていくらが控除の対象になるか? 解答: 1.研修控除として、924ユーロ。(18歳以上だから) 2.学校費用控除として、2160ユーロ。 3.児童控除4368ユーロおよび保育控除2640ユーロ。 ちなみに恵子の場合は、18歳未満なので、研修控除の対象外。また、大学は「学校」に含まれないので、学校費用控除の対象にもならない。去年まで通っていたギムナジウムは、公立だったので、授業料はただ。月額500ユーロほどで、8月には支払いがなかった。学費は寮と食費なので、学校費用控除対象外。 試験ではもちろん、ドイツ語で、計算式と所得税法何条何項に基づいているかも書かないといけない。、税法典は持ち込んでもいいのだが、どこに書き込んであるのか、探すのが大変。なかなか覚えられない。 来週の試験では、年金の控除についても出題される。ドイツの年金は、大きく分けて2種類あって、公務員用の恩給と一般の年金では算出方法がまったく違う。「実際の税理士事務所では、こんなこといちいち計算している人なんていないよ。全部コンピューターにプログラミングされているから、金額を入力するだけ、だから、実際に税理士事務所で働いている人に聞いても、ここまで細かいことなんて知らないのが現実だよ。」と文句を言っているクラスメートもいた。一般の年金も、国民年金とプライベート年金では算出法が違うし、健康保険の控除も複雑。 最近、年のせいか、急激に視力が衰えてきたと感じる。本当に細かい字を読むのが疲れる。板書も見づらいと感じるようになった。まずいなー。視力がいいのだけがとりえだったのに・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年04月18日 03時57分58秒
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