ドイツでマルチリンガルを育てる

午後、恵子から「第２セメスターが終わった～」というメールが来た。８月に試験があるのだが、それまでは夏休み。７月は１ヶ月北京に行くので、今のうちに試験勉強をしないと間に合わないとのことで、すぐには家に帰ってこないで、当分スイスに残るようだ。
昨日は、１２時間も大学にいたそうだ。今週は修士課程の学生が試験対策の講義をしてくれていたらしい。理系の学生はどこもそんな感じなのだろうか？でも、勉強だけではなく、来週は友達とオペラを見に行く予定らしい。私たちが住む田舎と違い、一応コスモポリタンといえる街だから、気軽にオペラを見に行ける環境にあるようだ。仲良しになった地元に住むクラスメートは、大のオペラ好きで、まるで映画館に行くような気軽さでしょっちゅうオペラを見に行っているそうだ。気軽とはいえ、チケットは最低でも５０００円ぐらいはするから、人気の演目は避けて、ラストミニッツで安く売られる券が買えそうな出し物を見る予定だとか・・・まあ、学生だから、それで十分だと思う。せっかく都会（？）に住んでいるのだから、文化的な生活を楽しんで欲しいなー。

賢浩とニコちゃんは、２週間の休みなのだが、好きな時間に起きて、好きなことをしている。私は学校があるので、何時に起きているのか分からないが、９時半から１０時の休み時間に賢浩の携帯に電話しても全く出ないので、その時間はまだ寝ているのだろう。

今、ニコちゃんに一生懸命掛け算を覚えさせようとしているのだが、あまりにも計算がトロくてイライラする。暗記しろ、と何度いっても、覚えようとしない。未だに、３ｘ９を、９+９は１８で、また９を足すと・・・というような計算をしている。毎日食卓で、「答えが２４になる九九を全部言って」とか「答えが３６になるのは？」と聞いているが、スラスラ言えた試しがない。日本では、どんな子でも暗算でぱっぱと答えられるように訓練させるが、ドイツではそこまで徹底していないように思う。家庭で覚えさせるのには限界がある。なんで暗記しないといけないのかと文句を言うし、結局やらない。学校で、強制的に、競争させながら覚えさせるから、早く覚えられるのだと思う。日本の教育は素晴らしいなーといつも思う。

私達の学校のクラスには、フルタイムとパートタイムの生徒がいる。フルタイムの生徒はあと３週間で講義を終え、実習にはいる。だから、もう学校に来ない。現在クラスには４０代以上が５人いるのだが、そのうち４人はフルタイム。つまり、フルタイムの生徒が抜けると、私が唯一の４０代以上になってしまう。私と一番年が近い人でさえ、一回り以上も離れている。２０歳以上年が離れている人も数名いて、そういう若い人たちばかりの中で勉強するのがちょっとつらい。しかも、わたしをのぞくすべてのパートタイムの生徒は、ロシアもしくはカザフスタンで生まれて、子供の頃にドイツに移住してきた人たちで、ロシア語とドイツ語のバイリンガル。休み時間はみんなロシア語で話していて、フルタイムの人たちがいなくなったら、私はどこに居場所をみつけていいのかわからない。今から、すごく気が重い。