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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2015年06月18日
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カテゴリ:職業再訓練
今週、7箇所の税理士事務所に自発的に応募書類を送った。
送り状などは自分で書き、必要書類を学校の研修担当者に渡すと、中身をチェックして、すべての書類をPDFファイルにまとめてくれる。それを希望の税理士事務所にメールで送る。
どうせ無視されるか断られるだろうと思っていた。しかし、予想に反して、なんとすぐに2つの税理士事務所から面接に呼ばれた。
まったく期待していなかったので、驚いてしまった。なんとメールで返信していいのかわからず、研修担当者に相談した。研修担当者もびっくりしていたが、とても喜んで、親身に相談に乗ってくれた。そして、メールの模範文も書いてくれた。
今のところ、私のドイツ語はすべて添削されてから送付されているので、あちら側は私の本当のドイツ語の実力を知らない。面接で化けの皮がはがれてしまうのが怖い。

研修担当者は、「面接では普通、あなたの長所は?短所は?と聞かれるけど、税理関係事務員の場合は、そういうことよりは簿記のことや税法などの専門分野を聞かれることのほうが多いみたいよ。」と教えてくれた。「でも、一応、長所と短所を考えておいたほうがいいわね。」というので、「私の長所は何でしょうね?」と聞いてみた。研修担当者は、「あなたの担任からの話や私が見た限りにおいては、「diszipliniert」ね。」といった。私は、「そんな・・・もういい年した大人に「diszipliniert」っておかしくないですか?」と聞いた。英語のdisciplinからの発想で、躾が行き届いている子供というイメージが浮かんだ。担当者は、それなら「Meine Stärke ist meine Zielstrebigkeit. Wenn ich mir etwas vornehme, bringe ich es zu Ende und mache es sehr gewissenhaft.」といえばいいとアドバイスをくれた。 しかし、家に帰ってから恵子に聞いたら、ドイツ語の「diszipliniert」には、几帳面とか丁寧にするという意味があり、大人に使っても全くおかしくないそうだ。

「もし面接に落ちても人格や能力を否定されたと思ってはいけないわ。その税理士と自分が合わなかっただけの話。あなたはいろいろな経験を積んでいるのだから 「Ich habe schon viel in meinem Leben erreicht und traue mich hier nochmal einen neuen Bereit zu erlernen」と胸を張って面接に望みなさい。」 と後押ししてくれた。

今日になって、新たにもう1箇所の事務所から面接に来てくださいというメールを貰った。そのメールには「日時を決めたいので、私に直接電話してください」と書いてあった。私は、あせって、恵子に相談した。
「代表電話番号だから受付につながると思うんだよね。Frau XXXと話したいといったあと、ご用件は?って聞かれたらどうすればいい?」
とにかく、FrauXXXが不在の時はなんと言えばいいか?FrauXXXに自分はなんで電話をしてきているかどう説明すればいいか? FrauXXXにこちらの都合を聞かれた時、どう日時を提案するのがスマートか? など、あらゆる事態を想定して、セリフを全部ノートに書き留めた。何度も何度も練習して、ドキドキしながら電話をしたら、本人が出た。でも、大きな税理士事務所なので、本人が出ることを想定していなかった。本人が名乗っているとわかったが、ついつい、練習通り、「FrauXXXと話せますか?」と言ってしまった。
こちらの名前を言ったあとで、「あー、今朝私がメールを送ったからかけてきてくれたのね。ありがとう。」とFrau XXXが言ったので、自己紹介をする必要がなかった。私が、「午前中は学校があるので、午後が都合が良いです」というと、自分の手帳を見ながら、じゃあ、来週のこの時間にしましょう、と日時があっさり決まった。実に2分間の会話だった。この2分間のために私は30分も想定問答を繰り広げていたのである。

最初の面接は明日。
かなりパニックになっている。
恵子に面接の練習相手になってほしいのだけど、彼女も自分の試験勉強や友達の誕生パーティーの用意や来週に中国語学研修に行くのでその準備などで、ものすごく忙しい。それでも、こういう時はどう言えばいい?と聞けば、嫌がらずに教えてくれる。しかし、恵子自身も就職の面接を受けたことはない。これが日本語での面接だったら、どんなに簡単だろう・・と溜息ばかり出てしまう。
こんな調子で大丈夫なのだろうか? いや、絶対に大丈夫じゃないと思う。





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最終更新日  2015年06月19日 00時01分41秒
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