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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2015年12月02日
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カテゴリ:職業再訓練
今日は国民経済の授業だった。
授業の最後に先週のテストの答案が返された。
満点で1.0! 簡単な問題だったので、満点の人は複数いた。
私はドイツ語でうまく作文できなくて、自信がなかったのだが、これはドイツ語のテストではないので綴りや文法の間違いは減点にならずにラッキーだった。
精神的という意味で「geistig」と書くべきところを「geistlich」、支出で「Ausgabe」と書くべきところを「Aufgabe」と書いてしまい、訂正されていた。ちょっと恥ずかしい。

今日は来週のテスト範囲である欧州中央銀行の役目について学んだ。
EU加盟国は28カ国。アイスランド、マセドニア、モンテネグロ、セルビアが次期加盟国候補。トルコも別枠で名前が書かれてあったが、トルコの扱いは一体どうなっているのだろうか?
私が日本で働いている時、発展途上国にある分野の専門家を派遣するという仕事をしていた。派遣後、専門家にレポートを書いてもらうのだが、トルコに派遣した人が書いたレポートに「トルコは2000年にEUに加盟する予定である」と書かれてあった。トルコに派遣した人はトルコの専門家ではないので、トルコ情勢の担当者に聞いてみたところ、「トルコが希望しているだけで、正式には何も決まっていない」と言われたのを今でも覚えている。EUの加盟国が増えていくたびに、20年以上前のこの話を思い出す。

28カ国中Euroを使っているのは19カ国。2016年からはポーランドも加盟する予定だそうだ。西欧でEUROに加盟していないのは、イギリスとデンマークとスウェーデン。ノルウェーとスイスはEUにさえ加盟していない。まあ、この辺は常識として知っておきたいが、このEUROをまとめてる欧州中央銀行については、所在地がフランクフルトということぐらいしか知らなかった。そもそも、日本の中央銀行である日銀のことだって所在地と総裁の名前ぐらいしか知らない。それほどまでに経済音痴の私が欧州中央銀行の役割を理解するのは簡単なことではない。

欧州中銀(EZB)は、EZB総裁、EZB副総裁、それから4人の理事からなるDirektorium(理事会)、Direktoriumの6人のメンバーとEuro圏19カ国の中央銀行総裁の計25人で構成されるEZB-Rat(政策理事会)、EZB総裁、EZB副総裁とEU加盟国28カ国の中央銀行総裁の計30人で構成されるErweiterter EZB-Rat(一般理事会)の3つの組織から成り立っている。EURO圏の政策を決めるのはEZB-Ratの仕事。

ここまでは単語もそれほど難しくない。
しかし、EZBの任務となると、説明されても資料を読んでもなかなか理解できない。この歳になって、こんな基本的な経済学も理解していなかったとは我ながら情けないと思った。

EZBの主な任務は経済成長と物価の安定(インフレ率2%)。そのために通貨政策を施すわけだが、大きく分けて「Offenmarktpolitik」「Ständige Fazilitäten」 「Mindestreservepolitik」の3つの手段がある。先生が配ったプリントの中に「Spitzenrefinanzierungsfazilität」という単語があり、クラス中がざわざわした。
「何、この長ったらしい単語!一体どんな意味なんですか?」と誰かが聞いた。
平たく言えば、市中銀行が中銀からお金を引き出す前に一晩預けることらしい。家に帰って調べたら、日本語では「限界貸出しファシリティ」というそうだが、ますます理解できなくなった。一晩預ける意味がわからない。不況時に市中にお金を回すためにこの手段をとり、逆に好景気の時は「Einlagenfazilität」という手段をとる。

もっとわからないのが債券業務。
不況時には債券を買って市中にお金を回し、好況時には債券を売って通貨量を減らす。原則はわかるのだが、債券はどこがどのようにして発行しているのか?どのように売買が成立しているのかがよくわからない。

マイナス金利も話題になった。市中銀行がマイナス金利を払うぐらいなら市中にお金を回そうとするようにし向けるためで、デフレ回避のための手段。それは理解できるのだけど、市中銀行には、余剰金を中央銀行に預けるか企業に貸し付けるかの2択しかないと言っているように聞こえる。そこが理解できない。

授業の最後で、来週のテストの話になった。来週のテストは、国民経済と一般経済の両方から出題される。一般経済は別の先生に教わっている。その先生からは、職業訓練及び労働契約書では、有給休暇は期間に応じると習った。しかし、今日の先生は、例えば契約期間が2010年9月1日から2014年8月31日の場合、2010年は4ヶ月しか働かないので年間日数の3分の1の有給休暇になるが、最後の年の2014年は8ヶ月しか働かないとしても1年間分の有休がもらえる、と言った。年間24日の有休を1月にすべて消化してしまっても問題ないらしい。ただし、9月以降引き続き同じ会社で働くにしろ、別の会社に転職するにしろ、新たな有休はもらえないとのこと。たとえば、3月で転職した人が、前会社ですべて年間の有休を使いきっていたら、新しい会社では年末まで有休はなし。11月に転職した人が前の会社で全く有休を消化していなければ、新しい会社でその年の残り2ヶ月間で24日間の有休を取る権利があるそうだ。有休の消化状況は旧雇用主から新雇用主に情報が渡されるそうだ。

単語が全然頭に入らない。脳みその限界を感じる日々だ。
しかも、ニコちゃんがびっくりするような点数のテストをもらって返ってくるので、ニコちゃんの勉強をみるのも凄くストレスになる。教えても教えても理解しない。「どうしてそんなに馬鹿なの?」といけないとわかっていてもついつい怒鳴ってしまう。自分ができない苛立ちも加わり過激に叱りつけてしまう。今、いろいろなことがすごく悪循環。クリスマスの飾り付けをする気分にもなれない。






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最終更新日  2015年12月03日 04時44分12秒
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