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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2016年07月01日
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テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:職業再訓練
今日から7月。つまり税理士事務所で研修するようになって丸々6ヶ月が経過した。
しかし、私のスキルは全く上がらず、自己嫌悪。
今日は社長に手紙を出すように言われたのだけど、社長は「ポストではなく、持って行くから封筒に入れて、記帳しておいて」と言ったみたいだ。私は「わかりました」と答えたもののよく指示が理解できておらず、通常と同じような手続きをしてしまい、「この手紙は持参するって言ったでしょ」と注意された。
他の手紙をポストに投函しに行き、戻ってきたら、社長がメリちゃんと何か話していた。社長は私の顔を見るなり、今度は私にむかって話し始めた。
「XXXの所得税申告を先週の木曜日までに終わらせるように伝えたのに、まだ終わっていないのは何故か?」と直球で聞かれた。「ほぼ終わっていますが、わからないことがあるので、その部分が未完成です」というと、「なぜ先週の木曜日の時点でそのことを伝えなかったのか?質問を箇条書きにしろといったのに、何故出来なかったのか?」と責められた。

「問題は、あなたの仕事態度、ドイツ語力、考え方にある。」と言われた。
「何故、わからないことを私に聞かないの?」とかなり立腹していた。「やってといったことをしないで、あれこれいろんなことをしているのはよくない。」と叱られた。

「ドイツ語ができないのは言い訳にならない。読み書きは問題ないが、聞く話すができていない。それはこの仕事において致命的だ。語学学校に通うなり、自分で勉強しなさい、」と言われた。
「あなたは週に3日しか来れないから、すでにハンデを背負っている。こちらも仕事をコンスタントに与えにくい。私はあなた達(私とメリちゃん)に来年の試験に受かって欲しいが、普通に受かるのではなく、いい成績で合格してほしい。そのために足りないところを補ってあげようと思っているが、聞きに来てもらえなければ、アドバイスをあげることもできないし、どこが弱点なのかもわからない。」と午後5時を回っても延々と説教が続いた。その間わたしは「はい」「はい」と返事をしていたのだが、「いつも、はいはいというけど、本当にわかっているのか?」とズバッと言われた。相当腹に据えかねていたのかもしれない。

メリちゃんが加わってから、今までと少しやり方が変わった。それまではほぼ放任だったのに、急にこんなに説教をされてびっくりした。
でも、私は雑用もしなくてはいけないし、そもそもXXXさんの所得税申告は2ヶ月前にほぼ終えていて、あとはわからないのでどうすればいいのかと聞いた時に、そのままおいておけばいい、と言われていたのだ。

確かに私の仕事はのろい、でも、手取り足取りは教えてもらえないから、自分で手探りでやり方を探すしかないのだ。聞いても、時間がないと言って放置されていたのに、なんだか釈然としない。
今日は社長の息子に質問をしたのだが、「何故私に聞かないのか?」と詰問された。
この前までは「なんでも私に聞くのはやめなさい。自分たちで考えなさい。」とか「今後は私ではなく息子に聞いて。」と言っていたのに・・・

一緒に説教を聞いていたメリちゃんは、「気にしない、気にしない」と慰めてくれたけど、かなり落ち込んだ。確かにドイツ語は本当に恥ずかしいレベル。でも、これ以上学校に通ったりして家をあけるのはきつい。私がいないと、子供たちはやりたい放題。宿題はしない、ピアノはしない、お稽古事もすっ飛ばして友達と遊びに行ってしまう。

今日のお昼はメリちゃんの家で食べた。メリちゃんは事務所から歩いて10分足らずのところに住んでいて、「うちにおいでよ。事務所ではあんまりいろいろおしゃべりできないでしょ。」と誘ってくれた。
メリちゃんはもともと歯科衛生士だったが、腰を痛め、中腰の作業がきつく、医者からも週に20時間以上の立ち仕事は無理と診断書をもっらたにもかかわらず、なかなか労働条件が改善されず、年金機構に相談した所、このUmschulungを紹介され、年金機構のサポートで通っていると言った。

メリちゃんは、「私が歯科衛生士のAusbildunḡをしたのは17歳の時で、やっぱり世間を知らなかったし、首になるのが怖かったから、研修先の言いなりだったんだよね。土曜日も出勤したこともあるよ。今なら絶対にイヤですって言えるけどね。研修先の医院で掃除婦がやめてしまったんだよね。そしたら、私に掃除をするようにいったんだよ。最初はしていたけど、いろいろな人に相談して、掃除をさせるなら研修契約書に「掃除婦として」という文言をいれてくださいって言ってやったら、すぐに新しい掃除婦を雇ったよ。でも、ほんとうに嫌な雇用主はいて、精神的におかしくなったこともあるの。医者に精神不安定で働けないっていう病気証明を書いてもらったのに、毎日上司がうちに電話をかけてきて、私が本当に家にいるかどうか確かめるから、最終的には弁護士にお願いして、上司宛に私に電話を掛けるのを禁止する手紙を書いてもらったんだよね。」と言った。
それから、「Bさんが事務所をやめた理由は、実は社長と口論になって、社長が辞めさせたんだよ。私が最初に午後研修に行った日、あなたは私より先に帰ったでしょ。その後で私は少し社長と話したの。社長は彼が気に入らなくて、精神的病気という理由で退職させたんだよ。Bさんは何度説明しても同じ間違いばかりを繰り返していたから、切り捨てたんだって。」と話してくれた。もうびっくり。メリちゃん曰く、ドイツで働く人の2人に一人は鬱病になるから、「鬱になった」という理由で退職させるのが一番てっとり早いと言っていた。

今日の説教で、社長は「Bさんは悪い見本だった。彼は顧客からの電話にいちいち用件を聞いて、30分、1時間、平気で顧客の相手をしていた。そんなことをしていたら、本来の作業ができない。」とも言った。私はBさんは人当たりがよくて真面目でどんな仕事も嫌がらずに取り組む優秀な従業員だと思っていたが、見る人、見る立場が違うと、こんなにも解釈が変わるのかと驚いた。





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最終更新日  2016年07月02日 02時35分20秒
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