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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2016年08月06日
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テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:職業再訓練
今日は大人の世界にもイジメって本当にあるんだなーと実感した一日だった。
窓際族とか左遷とか職場でのわかりやすくかつ陰湿ないじめの話はしょっちゅう耳にするが、まさか自分が対象になるとは思ってもみなかった。
今日私が社長から直接与えられた仕事は「コピー取り」だけ。
片やメリちゃんは顧客3人分の簿記。私がコピーをとっている間、社長がメリちゃんのところにきて、手取り足取り教えていた。コピーを取り終わったので、私も社長の説明を一緒に聞いた。社長は時々私に対する嫌味を交えながらメリちゃんに丁寧に説明していた。私は社長の説明を聞いて、初めてそのやり方を理解できた。メリちゃんは6月分の記帳をしていたのだが、私は同じ顧客の4月の記帳を何か月か前にした。社長はそれを見て「これはあなたがしたのよね?ここが間違っている。なぜ理解できないのかしら?」と私に言った。私としては、今頃そんな指摘をするの?なぜ私が「作業を終えました」と言った時にすぐにチェックをしてくれなかったの?とモヤモヤした気持ちになった。メリちゃんの場合はすぐにチェックをして、間違っていたらその場で手取り足取り教えてあげるのに、あまりにも待遇が違いすぎる。今回社長のメリちゃんへの説明を聞いて、目からうろこが落ちた気分だった。私のやり方がなぜ間違っていたのかよく理解できた。それで「今の説明を聞いて、ようやく理解できました」と言ったら、「本当にそうだといいけど・・・」と嫌味を言われた。私の時は、これをやって・・というだけで、事前の説明もなく、仕方なく過去のやり方を参考にしてやったら、間違ってた。1日がかりの入力作業がすべて無駄になり、かなり嫌味を言われた。同じ作業をもう一度頼まれ、次男に不明点を確認してやり終えた。しかし社長はまったくチェックしてくれなかったのだろう。今日初めて「このやり方は間違っている」というフィードバック(?)をもらった。最初から私にもこのように説明してくれていたらお互いに無駄はなかったのに・・・と少し恨めしく思った。

その後も私の仕事はコピー取りだけ。また社長がメリちゃんのところにきていろいろなことを教えているので、コピーを済ませて一緒に聞こうと思ったら、「あなたには関係のないことだから」と言われた。どうせ私にはすることないのだから、一緒に説明を聞くぐらいいいじゃないかと思ったが、仕方なく席に戻った。メリちゃんには山のように仕事が振り分けられ、私にはゼロ、という配分の仕方が露骨すぎて、私はどう振る舞っていいのかわからなくなった。しかも、社長はメリちゃんの間違いを見つけると、すぐにメリちゃんの席まで来て、どうすればいいのかアドバイスをしている。私に当てつけのようにも見える。私は来週から2週間休暇をとるので、今仕事を与えても中途半端になるから、と社長が判断したとも考えられるが、先週も今週も私はすることがほとんどなく、メリちゃんが今やっている仕事をなんで先週私に振り分けなかったのだろうか?と首をかしげたくなった。それほど私は信頼されていないのだろうか?それほど私に教えるのが面倒くさいことなのだろうか?

よほど心が強くないとこの環境に身を置くのは難しい。今日はやめることばかり考えていた。
メリちゃんがいてくれるから心強いけど、社長の私への風当たりがきつくなったのはメリちゃんが来てからだというのも事実。Bさんがいたときは、私への対応はソフトだった。きっと社長の嫌味はBさんが一人で被っていたのだろう。

メリちゃんは私にかなり同情してくれている。
「私の経験上女性の上司にはろくな人がいない。あと、家族経営の事務所に入ったのが間違いだよね。働くなら絶対に大手に行くべきだと思う。人間関係が複雑かもしれないけど、少なくとも社長の機嫌によって仕事のやり方が左右されることはないと思う。私はサイコパスみたいな上司のもとにいたことがあって、それで神経がやられて精神科のお世話にもなったことがあるの。だからああいう人とどう付き合えばいいのか多少はつかんでいるから、今のところは乗り切れているんだと思う。でももし今あなたが辞めてしまったら、次の標的は私になるのは目に見えているよ。」と言った。
メリちゃんは「あなたはドイツ語がネックだと思う。ドイツ語ができれば怖いものなしだよ。言葉の壁は大きいよ。正直な話、研修が終わったらどうするの?」と聞いてきた。メリちゃんは歯科医院勤務の時は健康保険の計算の仕事をしていたらしく、今回の研修でも主に給与計算を重点的に習いたい、と社長に申し出て了承してもらっていたそうだ。研修後は税理士事務所ではなく、一般企業で給与の仕事がしたい、という明確な希望を持っている。だから自分でこのUmschulungを受けたいと労働局にずっと掛け合っていたそうだ。それに比べ、私には明確なビジョンがない。なんとなく研修を受けるチャンスを与えられ、なんとなく続けているだけ。ここまで頑張ってきたけど、なんだか潮時のような気がしてきた。

なぜ2年間続けてきても私のドイツ語力が全く向上しなかったのかというと、やっぱり私はドイツに興味がないんだと思う。ドイツに何年も住んでいながら、ドイツのテレビ番組は全く見ないし、ドイツの芸能人もほとんど知らない。ドイツ文学にも興味がない。ドイツ語はシステマティックだから、大人が習うのに向いているというけど、私には難解すぎる。

この前メリちゃんに「印刷したよ」と言いたくて、「gedruckt」と言ったら、全然通じなくて、「あー、ausgedruckt ね」と言われた。よく考えれば英語でも「プリント アウト」というわけで、ドイツ語でも「aus」を付けないといけないのか・・・とようやく頭に入れることができた。

今日は「スキャンしたよ」と言いたくて、「gescannt」と言ったら、「あー、eingescannt のことね」と訂正してくれた。この場合英語では特に前置詞はつかないと思うけど、ドイツ語はほとんどの場合何かしらの前綴りがつくのでややこしい。

こういう言葉って普段日常で使うと思うのだけど、我が家ではドイツ語は使わないので、あまり耳にしない。ドイツに長年住んでいながらドイツ語と隔離された生活をしていた弊害だ。

今日暇なときに専門誌を読んでいたのだけど、「Aufbewahrung」という単語が出てきた。全く意味が分からず辞書を引いたら「保管」と書いてあった。どっかで出くわした言葉だよなーと思って税法をみてみたら、租税法147条にでてきており、「Aufbewahrung」という単語の上に「保管、保存」と訳が書き込まれていた。以前にも調べていたのに、全然記憶に残っていなかった。そういう単語はたくさんあって、何度辞書を引いても覚えない。「Wahrung」には「保持、確保」という意味があり、「Bewahrung」も「温存、維持」という意味。さらにAufがつくと、「保管」という意味になる。なんでAufがつくのかわからないが、そもそも核になる「Wahrung」という単語を知らなかったので、「Aufbewahrung」という単語を推測することすらできなかった。余談だがWahrungのaがウムラウトになると、通貨という意味になる。

ボキャブラリーが少ないことと発音が悪いことで、二重苦を背負っている。
今日は肌寒いくらいの日だったが、たまに蒸し暑いときもある。蒸し暑いことを「schwül」という。しかし、私が言うと「schwul」に聞こえるらしく、「ゲイ」という意味になってしまう。だから怖くて外では「今日は蒸し暑いですね」などと言えない。下手なことを言ってはいけない、という思いが、ますます口下手にしてしまう。どうやって改善していけばいいのだろうか?





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最終更新日  2016年08月06日 08時06分38秒
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