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テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:職業再訓練
「gemein!」というドイツ語は子供同士の会話でよく聞かれる。「ずるい」「卑怯な」「いじわる」という意味。今週事務所でのメリちゃんの扱いはまさに「gemein」だった。
今週は晴天が続き、連日30度近い暑さ。特に今日は湿気もあり、窓を開けていても「扇風機がほしいなー」と思った。午前中は私は月曜日からの続きの仕事をしたが、メリちゃんは手持無沙汰。午前中は社長がいなかったので、メリちゃんは隣の部屋にいる社長の次男に「何かすることはないですか?」と何度か聞きに行ったが、その度に「考えておく」と言われるだけ。その横で山のような仕事を抱えている私。私はメリちゃんと二人で考えながらやればお互いの勉強にもなるし、効率もいいのに・・と思ったのだが、月曜日に社長に指示されたときに「FrauXX(メリちゃん)には聞くな」とくぎを刺されたので、メリちゃんと仕事をシェアすることもできなかった。 お昼は近くのカフェで食べた。お昼は外食してもだいたい6~7ユーロ(約800円)程度なのだが、今日行ったカフェはサラダと飲み物で15ユーロ。私にしては贅沢なランチだった。でも話題はが月曜日の話し合いのこと。メリちゃんは「月曜日にどんな話し合いになるかスリルがあるね」と言った。実はこのカフェもわが事務所のお得意さんの一人。だから外で事務所の悪口を言うのは気が引けるのだが、週末は何をするかとかそんなことよりもどうしても話題は研修のことになってしまう。メリちゃんは「月曜日に話し合いをしても私はもともとの計画通り水曜日の午前中に学校にいって担当者と話し合いを持つつもり。あなたはどうする?」と聞いた。「私はもうやめるって決めたの。そのことは担当者に話したけど、「私はやることことがたくさんあってあなたの面倒を見る暇はない。」って言われたわ。担当者はなんとしても私たちを事務所に引き留めるつもりだよ。そりゃあ私たちが辞めてしまったら彼女の仕事が増えるものね。」と話してくれた。 「あとさー、あの子、採用されるかな?」とメリちゃんが別の話題を持ち出した。昨日事務所あての郵便物の中に研修生ポジションへの応募書類が入っていた。チラッと中をみたら、1999年生まれの男の子の履歴書だった。賢浩とほぼ同じ年齢だったのでびっくりした。メリちゃんも「妹と同じ年だー」と驚いていた。とにかくこんな小さな事務所でも「研修させてもらいたい」という応募書類が結構送られてくる。社長はいったいどういう基準で私たちを選んだのだろう?単にタイミングが良かったのだろうか?それともやっぱり普通の学生の研修と違い私たちは無償だから即決したのだろうか?メリちゃんは「私たちを追い出してあの子を雇いたいのかもね。」と言った。 午後はメリちゃんはたくさんのコピーをとることを社長から命じられた。その後また暇になったので、次男にもう一度「何か仕事はありますか?」とお伺いを立てた。「ちょっと考えさせて」と言われたらしい。4時近くになってメリちゃんのところにきて「これをやって」と簿記の説明をした。メリちゃんは簿記ばかり、私は税申告の作業ばかり割り当てられる。メリちゃんは「私も所得税申告の仕事をしてみたい」と言っていたのだが、またもや簿記。それでもようやく仕事らしい仕事がもらえて喜んでいた。 金曜日は帰る間際に事務所のごみを集め、不要書類をシュレッダーにかけ、台所をきれいにして、ごみを地下のごみ置き場に持っていくのも私たちの仕事。メリちゃんは5時15分前ぐらいに「そろそろ片づけをしようか?」といって、ごみを片付け始めた。ごみを地下に捨てに行ったのだが、メリちゃんが「5時まであと何分ある?」と聞いた。「あと5分あるよ」というと「じゃあ、あと5分ここで時間をつぶそうよ」と言った。5時ギリギリに戻り、帰り支度をしていると社長が私たちのところにきて「今週やったことを書き出して提出して」と言った。メリちゃんは証拠にするため毎日どのように過ごしたか事細かに記載していたが私は大慌てで今週したことを簡単に書き出した。今までこんなことはなかった。学校側が介入したことで少しづつ改善されていく予感がして二人で喜んだ。私は簡単な週間報告を提出し、どこまで仕事が終わっているかを報告した。その際質問をしたら、「じゃあ、来週一緒にやりましょう」と思いがけず優しい言葉をもらってびっくりした。 メリちゃんと一緒に次男にも「さようなら、よい週末を!」とあいさつしたら、次男がメリちゃんに「さっきの簿記、全部終わった?」と聞いた。「いえ、まだ全部は終わってません。」とメリちゃんが答えたら、「えー、終わってないの?」と不服そうな顔をされた。「今日中に終わらせるべきでしたか?」とメリちゃんが聞いたら「そうしないと、月曜日にほかの作業ができないじゃん」と(そんなこと言わなくても当たり前だろう)と言わんばかりの返事だった。メリちゃんは「今から最後までやるべきですか?」と聞いたら「うーん・・・」としばらく間があって「いいよ、もう。」と笑顔も見せずに自分の部屋に戻っていった。 事務所を出てからメリちゃんは今にも泣きそうだった。「私は朝から何度も「何かすることがありますか?」って聞いていたのよ。4時近くになって仕事を言いつけて、しかも「今日中に終わらせて」なんて一言も言われてないんだよ。これで本当に堪忍袋の緒が切れたよ。私はもうここにはいられない。こんなところにいたら精神的に病むよ」と怒りに震えていた。私もそばで聞いていて、ほんとに理不尽だなーと思った。そもそもこんなにいい天気の金曜日の午後に5時まで「無償」で働いている研修生にさらにサービス残業を強要するのは法的にも人道的にもどうかと思う。 私はほかの研修先を見つけるのが不可能のように思われるし、たとえ別の研修先があったとしても、そこの条件が今よりもよくなるとは限らない。そういうリスクを背負うよりは、やはり残る方向で居心地をよくするような話し合いにしたい。メリちゃんはそういう私の心を見透かして「あなたもこんなところにいたら精神が参るよ。私と一緒にここを出よう」と誘ってくる。「社長はあなたのことを書類泥棒みたいに言っているのよ。そんな何の得にもならないことをする理由が私たちにはないのに、難癖をつけたいだけなの。今は矛先が私に向いているけど、次はまたあなたの番になるよ。そんなことに耐えられる?」と畳みかけてくる。 そういえば、土壇場で、月曜日の話し合いが学校の担当者の都合で火曜日になった。火曜日は本来私の定休日なのだが、来週はイレギュラーで月曜日休みで火曜日に出勤することになった。どうかみんなが納得できて気持ちよく過ごせるような解決策が生まれますように! それにして私の日記は最近同じ話題ばかり。 子供のことに触れると、にこちゃんは毎日プールに行って遊んでいるので真っ黒。にこちゃんと私だけの夕飯では、にこちゃんが「目玉焼き」を作り、私がもう一品作るのが恒例になってきた。もう一品と言っても、冷凍食品とかレトルト食品を使った手抜き料理。でもにこちゃんはとても喜んでいる。 賢浩はアメリカの学校に通いだして1週間以上たったが、その間まだ1度しかスカイプで話していなくて、WhatsAppでメッセージを送っても全く返事が返ってこない。だから様子がよくわからない。 恵子ともあまり話していない。明日が試験の最終日だそうだ。8月に試験があるって本当にかわいそう。夏休みどころではない。月曜日に「ペプチド」についての口頭試験があって、終わった後に恵子から「教授に本当にこの子は馬鹿だなーと思われたと思う」というメールが来た。「2年前の入試の時も同じ感想を言ってたよ。でも合格したから、今回もきっと大丈夫!」と返信した。講義は英語で行われるのだが、筆記試験や口頭試験はドイツ語。実験レポートは英語。試験は残すところあと1教科。頑張れ頑張れ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年08月27日 05時20分35秒
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