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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2016年09月01日
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テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:職業再訓練
気づけばもう9月。
昨日から週1回1時間のプライベート会話レッスンを始めた。
自己紹介などは割と思ったことを話せるのだが、「XXと聞いて思い浮かんだことを言って」とか「この写真をみてどう思った?」などの抽象的な質問だと全く答えられない。さすがに相手はプロなので分かりやすく質問してくれる。またこちらがつまっていると、例えば・・・などヒントをくれる。しかし実際の会話では相手はこちらに合わせてわかりやすい語彙を選んでくれるわけでもないし、ゆっくり聞き取りやすく話してくれるわけでもない。レッスンでは「もう一度言ってください」「ゆっくり話してください」「それはどういう意味ですか?」と繰り返し質問できるが、実際の会話ではいちいち相手の発言を遮って「もう一度お願いします」とはなかなか言えない。そんなことをしていたら、相手をイライラさせてしまうし、会話にならない。ところが、そういう私の「配慮」が実際は相手をよりイライラさせていた、ということを火曜日の話し合いで指摘され、目から鱗だった。

火曜日に指摘されたのは、「8か月間、何の進歩も見られない」といういう厳しい現実。「私が説明したことが分かっていなくてもあとでFrauXX(メリちゃん)に聞けばいいといつも思っている。そういう態度がイライラする。」ときつい口調で言われた。「あなたがFrauXXに質問することで、彼女も集中力が途切れる。なぜその場で私に質問しないのか?」と至極まっとうなクレームだった。

昨日は学校の担当者に電話をして「第3者の目から見てどう思いましたか?」と聞いてみた。
担当者は「私もいろいろな税理士事務所を訪れいろいろな税理士と話したが、話し合いに4時間もかけてくれた事務所は初めてだった。長くても1時間で追い出されてしまうのが普通。彼ら(社長と息子)は火曜日の午前中まったく自分たちの仕事ができないかった。それでも真剣にこの問題をとりあげてくれたのは誠意があると思った。」と言った。「彼らがあなたたち(メリちゃんと私)に不満を感じるのは、あなたたちから何のコミットメントも感じないからだそうよ。自分たちがどれだけ学べるか?資格試験に合格できるか?ということしか考えていない。資格試験のことだけを考えるのなら教科書で勉強すればいいわけで、事務所で働く必要ない。私は事務所で働くスキルを教えたいと思っているのに、彼女たちからはここでずっと働きたいというような熱意を感じない、と言っていたわよ。」と教えられ、目が覚める思いだった。

その後メリちゃんから電話がかかってきた。メリちゃんは「昨日の4時間は無駄だった。その時間家にいて応募書類を書いていたほうがよかった。」と言った。メリちゃんは「絶対にやめる」と息巻いていた。私は「学校担当者と話したけど、社長には私たちをやめさせるつもりは全くないと言っていたよ。もしメリちゃんに本当にやめてほしいと思っていたら、昨日あの場で解雇していたって。メリちゃんの人格を攻撃したというのも誤解で、集中力がないのはプライベートで何か問題があるのではないか?と言っただけと言ってたよ。」と伝えたが、「学校の担当者は全く社長サイドで、もう信用できない」とメリちゃんは言い放った。そのあと二人で「私は人格破たんって言われた」「私は大うそつきと言われた」と自虐ギャグで盛り上がった。実は私は学校担当者の言うこともメリちゃんの言うことも100パーセント理解しているわけではない。なんとなくこういうことを言っているのだろうな、と察しているだけ。「この人本当にわかっているのかしら?」と思われていると思う。二人とも何にも言わないが、もしかしたら不快な思いをさせているのかもしれない。特にメリちゃんとは会話がしらけるのが申し訳なくて、ついつい合わせてしまうのだが、これからは「ごめん、それどういう意味?」って聞くようにしようと思う。

夜、夫、恵子、義姉からそれぞれメールが来た。
夫からは「今日はとってもいい日だった。だから自分にワインを買ったよ。そっちはどんな日だった?」という内容だった。夫に火曜日の話し合いの一部始終を電話で報告した時、「これで世の中には理不尽な人がいるってことがよくわかったでしょ。僕が会社を辞めざるを得なかったのも、上司から追い詰められたからであって、あの時は本当にストレスだった。今はそういう人間関係から解放されて自分の好きなことだけをやっていられるから幸せだよ。フリーランスはリスクも大きいけど、もう会社の駒にはなりたくない。そういう僕の気持ちがようやく理解してもらえただけでも、研修をしている価値があるよ。」と言われた。夫が楽しく仕事ができているのなら、それが一番。私までうれしくなる。

恵子は今ベネチアにいる。イタリアへの旅行はかなり前から計画していたのだが、大きな地震が起こったので、「行くのは中止したほうがいいんじゃない?」と心配していた。でも被災地の近くに行くわけではないし、宿も予約していたので、予定通り決行。写真が何枚か送られてきた。楽しそうで何より。

賢浩からは相変わらずなしのつぶてだが、義姉から写真がおくられてきた。昨日の夕飯はピザのデリバリーだったようで、かなり大きいサイズのピザがふたつと満面の笑みの賢浩が写っていた。お客さんでもよんだのかと思ったら、3人で食べたらしく、しかも賢浩は一人でほぼ1枚を平らげたらしい。たまに義姉が送ってきてくれる写真は、ドーナツを食べる賢浩、ココナツジュースを飲む賢浩、ステーキを焼く賢浩,等々。写真を見るたびに賢浩の体型がアメリカ人化しているように見えるのは気のせいだろうか?
週末スカイプで少し話したが、学校はまあまあ楽しいようで、すでに友達もでき「このあと友達と映画を見に行く」と言っていた。といっても、こことは違い、それぞれの家が州をまたいでかなり離れているので、義姉たちに車で送ってもらわなければ友達にも会えない。学校にはバス通学か親の車で送ってもらうかになるが、自分の車で通っているクラスメートもいるらしく、さすがアメリカ、と思った。今週末はアメリカは3連休になるので、義姉たちとキャンプ、その次の週はクラスメートから誕生会に招待されたといっていた。賢浩たちの学年は、ドイツクラス(ドイツの高校卒業資格をとる)とインターナショナルクラス(ドイツとアメリカの高校の卒業資格をとる)があり、賢浩はインターナショナルクラスにはいった。ドイツ語より英語を得意とする子のほうが多いのだが、クラスでの会話はドイツ語と英語のちゃんぽんだと言っていた。ドイツは州ごとに教育省がありカリキュラムが違う。一般的にBW州とバイエルン州のレベルは高いといわれている。賢浩の通う学校はチューリンゲン州のカリキュラムを採用している。BW州とはかなり異なるようで、賢浩が今学校で習っていることはすでに10年生で履修した内容で、「こっちの学校のほうが勉強する内容が簡単」と言っていた。

家族のみんながそれぞれ楽しく過ごせていれば、私の研修がどうのこうのと言うのは、私の中ではどうでもいい話。もちろんやるからにはきちんとしたいが、社長の態度に一喜一憂するのはもうやめようと思う。





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最終更新日  2016年09月01日 11時25分25秒
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