ドイツでマルチリンガルを育てる

12月6日はニコラウスの日。夜自分のブーツを磨いておいておくといい子のもとにはニコラウスがお菓子を持ってきてくれる。12月5日の夜に来るのか12月6日の夜に来るのか、いつも迷う。
恵子が幼稚園に通っていた時、12月6日の朝にプレゼントを見つけられるように準備した。恵子は朝プレゼントを見つけて大喜び。幼稚園でその話をしたら、「えー、ニコラウスって今日（12月6日）の夜に来るんだよ。もうプレゼント貰ったの？」とみんなに驚かれていた。私にはこの印象が強烈で、それ以来「ニコラウスは12月6日の夜に来る」と頭に刷り込まれた。
今年も当然そのつもりだった。ところが12月6日に学校から帰ってくるなりニコちゃんは「みんなのところにはニコラウスが来たのに、僕だけ何ももらえなかった。」と悲しそうに言った。私は慌てて「ニコちゃんはブーツを磨いてなかったから来なかったんだね。でも大丈夫。ニコラウスは昨日行けなかった子の家には今日の夜来てくれるよ。」と慰めたが落ち込んだままだった。
その日の夜、ニコちゃんが寝てから玄関に揃えてあったブーツの横にプレゼントを置いた。絶対にこちゃんが大喜びするものを用意した。しかし朝起きてもニコラウスのことなどすっかり忘れてしまったようで、なかなか玄関に見に行かない。私から「ニコラウス来たかな？」と聞くのもわざとらしいが、なんとか早く見つけてもらいたくて玄関に行かせる理由をこじつけた。ニコちゃんはようやく見つけてくれた。お菓子だけではなく、ニコちゃんがほしかがっていた10ユーロぐらいのおもちゃも一緒においておいた。ニコちゃんは「ニコラウスがレゴまでくれるとは思ってなかった。どうして僕が欲しかったものを知っているんだろう？きっと僕がカタログを見ているのをどこからか覗いていたのかな。さっそく学校で自慢しなくては・・」と言った。こういうことを学校で言うと「馬鹿だなー。ニコラウスなんていないんだぞ。本当はお前のママがおいているんだよ。」と言う子が必ずいる。ニコちゃんも「本当はママなの？」としつこく聞く。騙すつもりはないけど、夢を壊す必要もないと思っている。

今週も3日間働いた。月曜日の帰る間際社長に「以前お願いしていたFさんの簿記が途中までしかできていないけど、何故？」と急に聞かれた。それは3ヶ月前に私が頼まれた仕事。中途半端なのはやり方がわからないところがあったから。そういう時は質問事項を書きだしておきなさい、と言われていたので、そうした。でも私の質問リストは見てもらえていないようで、「何故中途半端にしてしまったのか説明して」と言われた。3ヶ月も前の話なので、何が問題だったのか私もすぐには思い出せず、調べて回答した。社長は「木曜日に続きをして」と言った。

木曜日に出勤して、火曜日、水曜日に来ていた確定申告のチェックをし、その後、Fさんの簿記を始めた。2016年の8月分までの書類のほか、私がいない間に9月から12月の書類も届いていた。とりあえず8月分まで終わらせようと頑張った。社長に「どんな具合？」と聞かれたので、「今日1日で仕上げるのは無理です」と答えた。「明日報告しないといけないから今日中に終わらせないと困る。」と言われた。「新しいファイルもありますが」と聞くと「もちろん全部」と言われた。
私はお昼休みも取らずにずっと入力していた。単に債権者、債務者、銀行の出入金をつけるだけなら難しくない。しかし、個人で使用したのか業務でなのか判断できないものが多く、頭がこんがらがった。例えば電気代も事務所用なのか自宅用なのか、車も複数あって、どの車の支出なのか、どの車が業務用なのかなかなか判断がつかなかった。支払いが滞って弁護士から請求も来ていたが、２－３年前の件を今年払って、手元にあるのは弁護士事務所からの請求書だけなので、もともとは何が原因だったのかわからない。ファクトリング会社への出入金の帳簿の付け方もわからず、書類の数も多いし、ひとつひとつ考えないとわからないので、時間がかかって、17時になっても6月までしか終えることができなかった。30分残業して7月まで終わらせたけど、これ以上は無理だと思った。私が昼休みも取らず、17時になっても帰り支度もせずに一心不乱に入力していても誰も何にも声をかけてくれない。「もう帰ってもいいよ」という声をかけを期待していたが、そんな気を使ってくれる人は誰もいない。
意を決して社長に「今日はお昼休みも取らずにやりましたが、残念ながら7月までしか終わっていません。」と申し出た。社長は「あっそう。じゃああとは私がやるから、PCをそのままにして帰っていいわ。」と言ってくれた。
日本にいた頃の独身の私なら深夜まで残業してでも全部終わらせたと思う。でも今は子供が家で待っているし、夕飯を作ったり、宿題を見たりで、やはり遅くても18時までには家に帰りたい。

社長は家に書類を持ち帰ってすべてを終わらせたようだ。
それにしても私が9時間かかった仕事を社長はたぶん3時間ぐらいで終わらせることができたのではないかと思う。
自分のことを事務能力が高いと思っていたが、本当は全然戦力になっていないのだなーと落ち込んだ。