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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2017年04月03日
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カテゴリ:職業再訓練
先週から試験対策講座が始まり、実務研修は一旦お休みして、学校で授業を受ける日々。
他の人の研修の話を聞き、やはり私の研修先は異常なところであるということに改めて気付かされた。はっきりいって私のしていることは研修ではない。雑用係りもしくは無料のお手伝いさん。
他の人と知識の上でもかなり差がついたように思う。
やっぱり何年も交渉して念願かなってようやくこの研修を受けられるようになった人と、私のように「とりあえずチャレンジしてみれば?」と簡単にチャンスを貰った人とでは、やる気と志の高さが違うのだなーとしみじみ思った。試験に受かる受からないに関わらず、そのまま研修先と雇用契約を結ぶ話になっている人も多い。でもそういう人がうらやましとは思わない。なぜなら最早この仕事に何の魅力も感じていないからだ。

しかし、せめて資格だけは取りたいなーと思っている。今日、担当者に「もし試験に受からなかったらどうなりますか?」と聞いてみた。半年後にもう一度受けることができるそうだ。担当者は「どうしてそんなことを聞くの?大丈夫よ。確かに言葉のハンデはあるけど、文法があっていることより専門知識があることのほうが重要なの。あなたは少なくとも知識は身についているでしょ。」と言った。「筆記試験はなんとか受かるかもしれません。でも口頭試験は無理だと思います。事務所でもお客さんと話したことはありませんし、そもそも同僚もいないので、ほとんど誰とも話さない状態です。ドイツ語は全く向上していません。」と告白すると、「今まで口頭試験に落ちた人はいないから大丈夫よ。あなたが言葉に詰まっているなーと面接官が感じたら、最後に簡単な問題を出してくれるはずよ。最低でも4で合格できるのだから、心配する必要はないわよ。」と言われた。嘘でもそういう励ましはちょっとモチベーションが上がる。

どんな結果になるにしろ、私の人生で今後このような勉強をする機会はもう二度とないだろうから、試験のプレッシャーはあるけど、残り少ない研修生活を楽しまないと損だと思っている。

火曜日と土曜日に私達の町では広場に市場が立つ。
先週の土曜日に果物を買いにニコちゃんと出かけたら「ハロー」と声をかけられた。土曜日の早朝に地元のスーパーに行くといつも会う人だった。その人はそのスーパーで働いていて駐車場でゴミを拾ったり、買い物カートを整理したり、荷物が多い人を手伝ってあげたりしている。彼はベトナム人。同じアジア人ということで親近感を持ってくれたのか、何度かお話をしたことがあった。
いつもはスーパーの制服を着ているが、その日は工事現場で働く人のような格好をしていた。
彼はニコちゃんを見て「いくつ?」と聞いた。そして私に「何人子供がいるのか?」と聞いた。3人だというと、彼は「私にも子供が3人います」と言って、3人の名刺を見せてくれた。彼は自分の会社を所有しているそうで、一番上の子供は彼の会社を手伝っており、後の二人はそれぞれメルセデス・ベンツとポルシェに勤めていると言った。
どうやらスーパーの駐車場でゴミ拾いをしているのは「仮の姿」のようだ。

彼は「私の家を見に来ませんか?せっかくだから、お近づきになりましょう。私の車がそこに止めてありますから、行きましょう」と言った。知らない人の車に乗るのはちょっと気が引けるなーと思ったが、ニコちゃんも一緒だったし、そもそも町中の人がみんな彼のことを知っているような状態だから、間違いがおこるはずはない、と思った。彼の車は小型車だったのだが、「これは燃費がいいし、スーパーに仕事に行くときに乗っているんですよ。」と言った。3台車を持っていて、あとの2台はメルセデスとポルシェ。

彼の家は新築だった。庭はまだ一部工事中で、大きな池が有り、鯉がたくさん泳いでいた。
家の中も案内してくれた。タブレットに保管されている彼の子どもたちの写真も見せてくれた。彼は「この家は700000ユーロでした。」と言った。私がびっくりしていると「この他にアパートも所有していて、賃貸に出していると言った。アパートは100万ユーロで購入したそうだ。彼は「まさかスーパーの駐車場でゴミを拾っている人間がこんな家に住んでいるとは誰も思わないでしょ」と愉快そうに笑った。たぶん、彼が私をここに連れてきたのは、話だけでは嘘だと思われるだろうから、百聞は一見に如かずで、私に信用してもらおうと思ったのだろう。
人は見かけで判断してはいけないとつくづく思った。





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最終更新日  2017年04月03日 22時17分25秒
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