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テーマ:小学生ママの日記(28707)
カテゴリ:服用
今日からニコちゃんは集中力を高める薬を飲むことになった。
効果は4時間しか持続しない。 今週はまず朝一錠だけ服用するように指示された。 7時にニコちゃんを起こし、朝食を食べさせ、水と一緒に薬を飲ませた。 食事と一緒に薬を飲むほうが、胃の負担を軽くすると説明書には書いてあった。 1,2時間目は数学、3,4時間目は英語の授業だった。英語は担任なので、4時間めと5時間目の間の休み時間を見計らって学校に電話をかけた。しかし事務員から「あなたから電話があったことを伝えます。」と言われた。 午後1時過ぎに英語担当の担任から電話があった。私は「今日から薬を飲んでいます。授業中に変化に気づきましたか?」と聞いてみた。すると担任から「ニコが学校から帰ってきてから話しましたか?」と逆に質問された。「いいえ、まだです。」というと、「そうですか、実は今日は授業ができなかったので、ニコの薬による変化については残念ながら何も答えることができません。ニコは、友人を殴って、Tシャツを破きました。ニコ自身は鼻血を出しました。それで急遽授業をつぶしてホームルームにしました。」と説明された。落ち着かせようと思って飲ませた薬なのに、逆にいつも以上にひどい結果になって一瞬頭が真っ白になった。 「薬のせいでそうなったのでしょうか?」と聞くと、「薬は関係ないと思います。今までも頻繁にいざこざがあって、今日ほどひどいことはなかったですが、同じようなことがいつ起きてもおかしくない状況だったので、薬を飲んだからこういう結果になったということはないと思います。」と担任は言った。 「クラスのみんなで話し合いの場を持ちました。ニコがJ君を殴り、N君のTシャツを破きました。N君とニコは以前は仲良しだったとクラスメートが言ってました。でもN君はもうニコとは遊びたくなくて、それでもニコがしつこくN君に「また友だちになろう」と言いより、N君はそれを何度も断っていたそうです。ニコには友情がテーマの本を読んで2週間後にみんなの前で発表をする課題を与えました。それがニコへの罰です。ですから、家では決してニコを怒らないであげてください。N君には同じものでなくてもいいので新しいTシャツを買って返してあげてください。家に帰ったら、まずニコを抱きしめてあげてください。そして何があったか聞いてください。」と言われた。 私は先生と話していて泣きそうになってしまった。 家に帰って、まず最初に気づいたのは、家がきれいになっているということ。いつもは食べたら食べっぱなしで、食器も下げないし、ゴミもあちこちに散らかっているのに、少しでも怒られることを軽減しようと思ったのだろう。 私の顔を見るなり「今日は最悪だった」とニコが言った。「どうして?」と聞くと、「えっ、先生から聞いてないの?」と言われた。「聞いたよ。でもどうしてそうなったのかもう一度説明して欲しい。」と言うと、「僕は悪くないんだ。Jが数学の授業中に僕の首の後を叩いたんだ。先生は見てなかった。それで休み時間に仕返ししただけ。そしたらJがNに「ニコを叩け」って命令して、Nが僕を叩き続けるから、止めさせようとNのTシャツを掴んだら、Cが僕のことを押して、そのままTシャツが破けた。でも普通に引っ張ってもTシャツなんて破けない。Cが僕を押さなければこうならなかったし、僕は薬を飲んでいたからきっとすごい力が出てしまったんだと思う。」と言った。薬は関係ないと説明したが、自分の意思に反して飲みたくない薬を飲んでいるということが心理的に影響を与えたのかもしれない。その辺はよくわからない。 「ニコちゃんはN君のことが好きかもしれないけど、N君はもうニコちゃんとは遊びたくないと言っているし、N君のお母さんもニコちゃんとN君が一緒にいるのは好ましくないと思っているんだよ。しつこくするともっと嫌われちゃうよ。嫌だと言われたら、それ以上近づくのは止めなさい。新しいTシャツを買って、ごめんなさいと言って渡すだけにしなさい。また友だちになってねとか余計なことを言わないほうがいいよ。とにかくいまからTシャツを買いに行こう。自分のお小遣いから弁償しなさい。」と伝えた。すると「自分のお小遣いから出すのは絶対にヤダ。そもそも何で僕一人が弁償しないといけないのか?Cが僕を押したのが悪い。」とわめき出した。「クラスで話し合った時にそう言ったの?」と聞くと、「言ってない」と言った。クラスのみんなの意見で「ニコはN君にTシャツを弁償するべきだ」「ニコとN君は冷却期間をおくべきた」という結論に達したそうだ。ニコちゃんに罰として友情に関する本のプレゼンテーションが課されたのだが、「一人でやっても意味がない。ニコとN君が共同でプレゼンをするのがいいと思う。」という意見もあったそうだ。担任は「クラスで友情について考えるいい機会になりました。だからそれほど悪いことだとは考えないでください。」と電話越しに私を慰めてくれた。しかし先日の保護者会で「数人の男子生徒のせいで授業がしょっちゅう妨害される」という不満がでていたのも事実。いたたまれない気分になった。 私はけじめとして、ニコちゃんは自分のお金でTシャツを買うべきだと思った。先日旧正月があり、香港の風習でお年玉をニコちゃんはパパからもらった。50ユーロ入っていた。Tシャツなんて10ユーロもしないと思うといったのだが、「絶対にやだ。僕は悪くない。」とわめき出した。ついつい「すぐそういう態度をするから友達に嫌われるんだよ。気をつけないと・・・」と言ってしまった。地雷を踏んでしまったようで、そこから手がつけられない状態になってしまった。 薬の効果はまだ全然わからないが、どっちにしろ私が仕事から帰ってくる時間には効果は切れていて、むしろ反動が怖い。初日は悲しすぎる結果になった。飲ませ続けることに意味があるのかどうか、全くわからない。1ヶ月後にどうなっているのか想像もつかない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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