夜の国のクーパー 伊坂幸太郎
鉄国との戦争に負けたこの国に、占領軍の先発隊が見たこともない馬という動物に乗ってやってきて、兵長が王である冠人を銃というもので殺したとトムと名乗る猫が、仙台から小舟に乗っていたはずの僕に語った。猫たちはみていた。横暴な冠人の息子・酸人の暴挙、素直な弦、気の強い枇枇、頼りになる号豪、思い立ったら行動の丸壺、冷静な医医雄、生き字引のような存在の頑爺たちを・・・クーパーという変態した杉の木を倒すために派遣されていた兵士は、クーパーを倒した際に透明になってしまうが、この国の危機に現れるという。クーパーの兵士を選ぶ複眼隊長のこと。猫と鼠のこと、関係は変えられるか?童話のようなお話?どうということはないのだけれど、するすると読み終わってしまった。----------------------------この国はもうずっと前に鉄国に負けており、クーパーの兵士として送り出されていた人々は、鉄国に差し出されていた。だが、鉄国はあまりに小さなこの国にさして興味はなかった。ある時に複眼隊長がクーパーの兵士を連れて帰ろうとしたが、冠人が激怒。それから複眼隊長はクーパーの兵士を鉄国に差し出さず、村を作って彼らと住んでいた。鉄国で代替わりがあり、方針が変わると知った複眼隊長は鉄国の先遣隊の振りをしてこの国に戻り、冠人を殺し、本隊が来る前に対策をたてようとしていた。良い王だとされていた冠人の実態、この国に伝わっていた歴史、伝説の虚偽があかされていく。最後はいきなりガリバー旅行記。鉄国の本隊到着、襲撃の時に現れたのはトムの話を聞き、この国を救うために立ち上がった(仙台から来た妻に浮気された公務員の)私。なぜかこの国の人々良い4,5倍の大きさで、クーパーだとの誤解を受けつつも鉄国の兵士を一蹴。人々と交流し、この国のそばに滞在するも、ある日遠出をした際に乗ってきた小舟を発見。